腐食
白いシャツにジーンズを着た
男の正面の椅子にも裸足の白いワンピースを着た女性座っている。だが月明かりは足元までしか届いておらず、顔は見えなかった。
男は静かに女性を見ながら物思いに
————————
あまりにも幸福な時を過ごすものだから、思わず
あれは梅雨の時期だった。よく覚えているよ。
君を見つめる度に湧き上がる歓喜を抑えることがどれほど苦しかったか、君に理解できるかい?
まるで幼虫が葉を少しずつ
とても辛く、厳しい戦いだった。何度も
結局僕は我慢出来ずに君を独占しようと
だけど君はこんなに
あの日の僕はもう歯止めが効く状態じゃなかった。
君の小さな口から
僕の視覚は君の変わりやすい表情の
君が
あれからもう二ヶ月経とうとしてる。君との日々は
でもこの奇跡もあと少しで終わってしまう。白い名残だけを置いて、君は遠いところへ旅立つんだ。
いずれ訪れる離別の日を
「君を超える存在なんて現れるのかな————」
男の問いかけに女性からの返事は一向にない。だが男は満足気に
男は椅子に座る女性を微笑みながら抱きしめる。
「大丈夫、君を一人にしない。僕もついてくるよ」
次第に炎に包まれる二人を月は凝視する。幸せそうに微笑みを浮かべる男と、顔を崩し表情が読み取れない女とを。
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