第5話ここ、どこ?

「気持ち悪い」

それが、最初の感想だった


なんか得体のしれない化け物が、得体のしれない黒くてかたい地面を走っているし

何やらわけのわかんない、四角い箱のようなものが、いっぱいある

「気持ち悪い」


酔ってしまったというか、これを現実だと思いたくない


「あ、あのその、服買いに行かない?」

「あ、うん」

それを、笑顔の裏に隠し、なんでもいいんじゃね?、とぶっきらぼうに言わなかった自分をほめてやりたいくらいだった


~ショッピングモール~

「これ、似合うと思うんだけど」

出してきたのは、スーツにネクタイである、「凛々しいから似合うよ~」

なんて言ってるが、全力でオッサン臭そうだから他のが似合わないと思っている

「、、、、、、、、、、、、、、」

陣屋、暮らしでいい加減そういうお愛想の裏側を察せるようになった渡部

その横で、意外と似合うじゃんっか俺にもかってほしいわと思っている、村風

「じゃあ、自己紹介しようか――私は椎葉七、他は?」

「俺は、村風三郎」「、、、俺は、渡辺累」

なんだかんだ、いろいろあったが、お店の好意で買ってもらった


ーーーさぁ、どうしよう

「渡部君は、どうするの?」「え、どうって」

「あの、力どんなのかなってーー」


渡部はそこで、説明する「光」のことを

そして、自分の光がけんとうもつかいことを


「あ、風船」


風船が坊やの手を離れ、エントランスから出ていく


ーーその時、だった「光」が発動する


ーー「昔」鬼がいっていた、子供が泣いてたらできる限りのことをしてやりなさい

それができるのが一流だと


自分に、獣拳じゅうけんを教えた師匠はそう言って凄絶に笑った



「遠吠え」である、ただしーーひとには聞こえないレベルの周波数の大声

それで、風船がこちら側に引き寄せられる


地面に、両手両足をつき、手足を軽く曲げーー跳躍する

そして、勘で、糸の部分を曲げた、「爪」いや、指でとらえる


「山犬」の、渡部である「ってか、俺だけ「素」かよ」

――武器とねえし、強化ゼロ




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