必要なもの、愛されるもの、望んだこと。この物語は一見して不可思議で、納得することは難しく、しかし声を上げなければ何も変わらないと伝えるような、願いと祈り、或いはその太極のお話だ。――などというと、きっとあなたは解った気になってしまうだろう。だから、まずは最後まで読んでほしい。世界で起きる出来事を、そのまま飲み込むのではなく、少しでも解ろうとして――それでも解らないまま生きてほしい。叫び出したくなるような青春が、人生が、ここには描かれているから。