第2話 幸せになるためには②
私は目を覚ますと身動きが出来ずにいます。
身体をよく見ると縄で縛られていてどうする事も
出来ません。
「ここは何処なの?」
私は周りを見回しますが、内装は綺麗でしっかりとしてて
誰かが住んでいる様子もありません。
そこになぜか梢が立っているのでした。
「梢、お願い、縄を解いて」
すると梢は私の方に歩み寄るとこう言ってくるのです。
「解くわけないでしょ」
「どうしてよ、梢」
「これから智恵子の事を可愛がるの」
「可愛がるってどういう事?」
「まだ気づかないのね」
私にはどういう事なのかもよくわかりませんし、
さっぱりでした。
「幸せになりたいんでしょ?」
「なりたいけど…………」
「結婚相談所に行けばいいって私が言ったけど、
私もそういう人よ」
「えっ、そうなの?」
「うん」
「私がきっちりと結婚相談所というのを教えてあげる」
「でも、縄を解いて」
「解いてあげるね」
「ありがとうね、解いてくれて」
「智恵子は本当に幸せになりたいのね?」
「うん」
「他力本願な女性は本当に幸せになれないの」
「さっき聞いたよ、それ」
「本当に幸せになりたいなら、自分で動かないとね」
「そうだね」
私は自分で動かないと幸せになれないって言う事が
わかるとまずはここから出ないといけない。
「出口は何処にあるの?」
「嫌よ」
「嫌って……私幸せになるために動かないと」
「ダメ、行かせない」
「どういう事なの?」
そうしているといきなり梢からキスされるのでした。
「な、何するの、梢」
「ふふっ、智恵子の事が大好きなの」
「梢には夫がいるでしょ」
「そんなの関係ない」
「やめた方がいいよ」
「嫌よっ、私は智恵子の事が大好きで堪らないの」
「その気持ちは嬉しいけれど、受け取れない」
「そう、智恵子、ここから出すわけにはいかないね」
「えっ、やめてよ」
「ふふっ、私の愛は海より深くて重いのよ」
「ここで閉じ込めるってわかっているの?」
「わかっているよ」
「それなら出して」
「だからね、出来ないの、わかって智恵子」
私は大きな間違いを犯したのかもしれない。
友人である梢に相談しないで最初から結婚相談所に
行ってればこうはなってなかったかもしれない。
私はものすごい後悔しているのです。
ここで暮らすっていってもどうすればいいのかも
わからない状態なので困ります。
「梢、ここで暮らすのはわからけれど、どうするの?」
「平気よ、お風呂もあるし、寝る所もあるし、いいじゃない」
「食事は?」
「キッチンもあるから私が料理してもいいしね」
「そこまでしてどうして私の事が大好きなの?」
「言わせないで」
「ごめんなさい」
この後、私と梢はここで一緒に暮らし始めるのですけど、
当然、梢は結婚してて夫もいるわけですが、夫とは
離婚したそうです。
離婚した上で私と一緒になって暮らしているのです。
梢と暮らしていくうちに私は梢の気持ちがわかってきて
理解すると私は梢と居る事が幸せになります。
他力本願な女性でも幸せになれるってわかると私は
自信に満ち溢れて梢としっかりと恋愛しているのです。
そうする事で私も梢の愛を受け止める事が出来るので
嬉しい事でした。
それに梢とはお付き合いが長いのもあるので、
愛し合うのはぜんぜん問題ありません。
形はどうあっても今、私は幸せなので
何も言う事はございません。
これからも梢とは仲良く幸せに暮らしていこうと思います。
他力本願の女性は幸せにはなれないのですか 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます