第31話 ガラス人間
ガラスの人間がいると仮定しよう。
体全てが透明なガラス。
彼の肉体は強化ガラスのように固く、彼の肉体は芸術品のガラスのように繊細だ。
多くの人々はこのガラス人間をたたえた。
曰く、なんと美しいものか。
曰く、なんと恐ろしいものか。
曰く、なんと甘美なるものか。
多くの人がガラス人間をたたえた。
しかしながら、一部の人たちはこのガラス人間をけなした。
曰く、なんと醜いものか。
曰く、なんと悍ましいものか。
曰く、なんと悪辣なるものか。
そして、このガラス人間の心はスワロフスキーのように繊細だ。常に彼あℋ自らの自尊心を満たさないと気が済まない。
さて、それでは今ここで君たちに問題を出そう。
我々はこのガラス人間の自尊心を満たすためにはどのようなことを心掛けるべきであろうか?
答えは簡単だ。
彼を称賛する声を大きな音で流せばいい。
彼はガラス人間、眼球があっても光がとらえられないから目が見えないのだ。
了
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