第22話 或る麻薬密売人の悲劇
コロンビア人のカルロスは麻薬密売人だ。
カルロスは非常に優秀な麻薬密売人であり、これまでアメリカに大量に麻薬を密売して金を稼いでいる男だ。
コロンビアの裏社会からも大いに信頼されているカルロスは、今日も麻薬密売のために空港に向かう。
カルロスの手法は簡単だ。カプセルの中に入れた麻薬をカプセルごと飲み込んで、検査を賄賂でごまかしながら突破する。
こうすれば、普通に突破できる。
特にカルロスは優秀な男で、コロンビアとアメリカ、双方に弱みを握った空港の手荷物検査員がいる。もし彼らが裏切ったら、その家族を殺すことができるようにしている。
完璧だ、カルロスは自らが作り上げた麻薬密輸システムを自画自賛しながら、今日もコロンビアの空港からアメリカにむかおうとした。
翌日、コロンビアのニュースで麻薬密売人カルロスが死亡したというニュースが入った。
彼の死因は、胃の内部でのカプセル破裂による急性中毒。
破裂原因は、飛行機が出るときに飛びだしてきたネコによる急ブレーキの衝撃。
慎重すぎてカルロスは、その日たまたまいつもよりも早くカプセルを飲んでしまっていたのだ。
了
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます