第5話 俺の妹、魔性の少女



 我が妹の罪は、可愛すぎる所だな。


 今日一日の綿密な調査だけで、邪魔な虫を三人も発見した。

 将来こいつらが、和沙にプロボーズするなんて事になったら、俺はっ罪をおかしてしまうかもしれないっ!


 生かしてはおけん。機会があったら排除しとこう。


 しかし、こんな調子で男子を篭絡していったら、とんでもない事になりそうだ。


 俺の妹はかわいすぎて、将来絶対に魔性の女と化してしまうだろう。


 そして、男子は飢えた野獣となり、とんでもない事件が起こるのだ。


 何て恐ろしい。


 でも、大丈夫だ、和沙。


 お兄ちゃんが守ってやるからな。

 大きくなって魔性の女になっても、ずっと傍にいて野郎どもを追い払ってやるからな。


「こらっ、和希! またこんなところでサボって! 妹を守る前に、まず自分の学校にきなさい」


 ゴンッ。


「いて、うわっ母ちゃん。ちょっ、待っ、これには深い事情がっ」

「言い訳しない。まったく、この子は。お家でしっかり叱ってやらなくちゃ」


 ずるずるずる。


「待ってくれ、ああっ和沙にまた悪い虫がっ」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺の妹がかわいすぎて将来がすごく心配なんだ 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ