第4話 邪魔な虫3



 ご飯の時間が終わったら、和沙たちが運動場へ移動し始めた。

 次は、遊びの時間らしい。


 視線の先では、レクリエーションが盛り上がっていた。


 ドッチボールをやって、ボールをあてっこしている。

 妹はそこそこ運動神経が良い。

 だから、中盤まで生き残る事もしばしばだ。


 けど、人数が少なくなってくると、必然的にあてられる確率も高くなってくるわけで。


「きゃっ!」


 ああっ、痛そうに!

 和沙に勢いのついたボールがっ!


 誰だっ、俺の和沙にボールを当てた奴はっ!


 って、またお前か。


 さっきも和沙にボールをぶつけたただろっ!

 同じ奴じゃないか。


そいつは笑いながら「和沙ちゃんののーろまー」とか言いつつも、外野に出た後は「怪我したら消毒しとけよ」なんて気遣いをみせてる。


 あれか、好きな女の子はちょっかいかけたくなるタイプか。


 今どきそんなベタなツンデレ男子がいるとは。


 ありふれた邪魔な虫だな。


 よし、こいつは後でくさい虫でも投げつけておこう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る