第3話 邪魔な虫2



 昼ごはんの時間になった。

 妹は、お弁当箱を広げて美味しそうに、おかずを食べてる。


 手をあわせて、いただきますもしたし、食べ物もこぼしてもいない。


 和沙は礼儀正しくて、かしこいなー。

 いい子、いい子。


 そのまま眺めていたら、隣の女の子に「あーん」でおかずをあげ始めた。


 なぬっ。

 うらやましい。


 でも女の子なら、まだギリギリ許せる。


 そういう友情もあるよね。

 これからも和沙と、仲良くしてくれよ。


 けど、妹はまだ「あーん」


 今度は反対側にいる野郎にだ。


 なっ。


 なんだってー!


 貴様っ一体何様のつもりだっ!


 下賤な犬の分際でっ。

 貴様ごときの人間が、そんな大層な褒美を与えられるとでも思っているのか?


 思い上がりも甚だしいっ!


 二度と「あーん」されないように、あとでその口縫い付けてやるからなっ!


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