転移者について
前書き
今回は転移者についてのお話です、この物語では転移者と転生者は全く別物になる予定です(共通部分はあります)
ここから本編
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近いうちに転移者が学園に来るらしくて、今クラスでは転移者についての話し合いがおこなわれていた。
転移者とは一体何なのか、その説明を簡単にアレスが行い話し合いはまだまだ続く。
「アレス様、質問いいかしら」
手を上げてアレスに質問しようとするのは、俺の妹のキャロだ。
ちなみに俺とキャロとシャロとルリは、アレスに対して敬語を使わない、始めのうちは使っていたがアレスが「僕より上にいる、君達が畏まる必要はないよ、それにここは学園だし」と言ってから敬語を使うのをやめた。
「どうしたのキャロさん?」
「魔族と人間の戦いは終わったのにどうしてまだ転移者って呼ばれる人達がいるの?」
キャロの質問に一瞬黙り、顎に手をあて考えるアレス、貴族組みも互いに目を合わせたりしている。
「すまない、その質問に対する明確な答えはないんだ。ただ一説によると、神が別の世界で死にかけている人間をこちらの世界に送って生かしている。と言う説が一番有力だ」
そこでいったん言葉を切り、アレスは将太のほうを向く、将太はそれに気づいて頷いていた。
「実はこの中に転移者がいる」
ざわ、ざわ
アレスのこの言葉にクラス中がざわめく、思ったんだが蒼井将太ってこの世界的には特徴的な名前で気づかないものだろうか。
「その転移者は、9位の蒼井将太だ!!」
その事実を知らない奴らがいっせいに将太の方を見る。アレスとその護衛たちは知っている様だったが、ノアは知らなかったようだ。
「将太くん質問です、神にあった事はあるんですか?それと転移者と、この世界の普通の人は何が違うんですか?」
さっそくベルが将太に質問し始める。このとき俺は神と聞いて、転生の間であったじいさんを思い出した。
「神って言う存在には会ったっすよ、ただ凄い存在だったせいか、見た目も顔も全くわかんなかったっすけどね、声的には女性っぽかったけど、それも微妙なとこっすね」
不自然だった、俺の時は認識できないなんて事は全くなかったし、声も明らかにおじいさんの声そのものだった、もしかしたら転移者と転生者では全く対応が違うのか、もしくはあのじいさん以外の神がこちらの世界に人を送っているのか。謎が増える一方だった。
「2つ目の質問っすけど、転移者はステータスの補正があるんすよ。こっちの世界で簡単には死なないように神様が考慮してるとか何とか言ってたっす。具体的には最低でもステータスがオールC以上からで後はランダムっぽいっすよ。ちなみに最高値はSだそうっす。後成長もしやすいらしくて、努力しだいではオールSも行けるらしいっすよ」
将太の説明でアレスと俺以外はみんな驚いている、この事は護衛組みでも知らないようだった。というかさっきから周りを見ているが、みんながいろいろな反応をしていて面白い。
もちろん俺も知らない情報があって驚いてはいるが、伊達にあっちの世界でオタクはやってない。ここまで聞いた情報はある意味では予想どうりだった。
その後も将太やアレス皆が質問をして、転移者とは何なのかを話し合った。転移者には特定のスキルがあるとか、自分の力を最強と勘違いして悪に手を染めた転移者がいるとか、いろんな話があった。
王都から少し離れた場所に転移者だけが暮らしている町があると知ったときは、思わず声を上げてしまった。
昼頃にバッカス先生が来て「今日は先生達が忙しくて授業ができないから帰ること」と言い残して去っていってしまった。今日の学園は突然終わりを告げた。
「「「「ただいま」」」」
「あら、お帰りなさい。みんな揃ってどうしたの?まだお昼よ?」
「それが、今日は先生達が忙しくて授業ができないから帰れってさ」
出迎えてくれた母さんに俺が説明をして、各自部屋に戻った。
私服に着替えてからルリの部屋をノックする中から「どうぞ」と聞こえたから、扉を開けたらそこでは着替え中で上裸のルリがいた。それを見て反射的に扉を閉めてしまった。
「ちょルリ着替えてる最中じゃん。すまん」
「え、なんで謝るの、別にシオンになら裸ぐらい見られたって気にしないよ」
ルリ、なんて大胆なんだ。思わず顔が熱くなってしまう。全く最高な彼女だぜ。
着替えが終って部屋からルリが出てくる。ふりふりの可愛らしい洋服で可愛さがますますあがっていた。
「それで、どうしたの?」
くりくりした大きい眼で俺を下から見上げるようにする、可愛すぎてつらい、最高。
「その何だ、夕飯まで時間もあるし、ちょっとお出かけしないか?」
搾り出すように出たその言葉はやけに小さく、よわよわしいものだったが、ルリはちゃんと聞き取ってくれた。満面の笑みで「いいよ」と言われた時は昇天するかと思った。
家を出るとき、母さん達に出かける事を言ったら「あら、おあついわね、でもちゃんと夕飯までには帰ってきなさいよ」と冷やかしをくらってしまった。
洋服屋だったりアクセサリー屋だったり、とりあえず王都の中でいけそうなお店を二人でいろいろ見て回った。お金は過去に倒した【
「ねぇ、シオンは行きたいところとかないの?」
ルリは少し遠慮がちに聞いてきた、どうやら俺がルリの好きそうなお店ばかりに行ってる事に気づいたのだろう、そこで俺は時間を確認した。
「そうだな、俺も一つだけ行きたい場所がある。一緒に来てくれるか?」
「うん、わかった。あと行きたい場所なら一つと言わずなんか所でもいいよ」
俺はルリと手を繋ぎ俺の目的の場所に向かった。
その場所は
「シオン、ここ学園だよどうしてこの場所に?」
俺たちが来たのは学園だった。さすがのルリもこの場所は予想してなかったらしくちょっと混乱している。
「実は、俺たちの教室でちょっとした待ち合わせをしていて、そろそろ時間なんだよ」
俺がここに来た理由を話すと、ルリが遠慮して帰ろうとした。だが俺が引き止めて一緒に教室までやって来た。
「本当にこの時間に誰か来るの?」
ルリが不思議そうにいて、俺に聞いてくる。
俺も来るか正直わからなかったが、どうやら俺の仕込みに気づいたらしく、今教室に向かってきている。
「あぁ、奴は来るよ、一度じっくり話したかったんだよね」
俺の言葉にますますルリが首をかしげる。耳をすませば廊下のほうから足音が聞こえる。
そうして廊下のほうから来た人物は教室の扉を開けた。
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