転移者と転生者と魔王の娘
生徒が誰もいなくなった学園の一年Sクラスに俺とルリはいる。俺が呼び出した、ある人物を待っている。
廊下のほうから足音が聞こえる、そして扉は開かれた。
「どうして、シオン君とルリさんがここにいるんすか?」
やってきたのは一年Sクラス第9位の
「手紙、見てくれたんだろ?まぁ書いた通り将太と話がしたいんだよ」
「なるほど、あの手紙の主はシオン君だったんすね、いやぁ驚いたっすよ、僕と話がしたいって内容がご丁寧に
俺が渡した手紙を持ちながら教室の扉を閉める。じゃっかん警戒はしてるようだが、俺たちの近くの椅子に座った。
この教室に将太を呼び出したのは俺で、必ず来てもらうために、日本語で文字を書いた。まぁ転移者と交流を持ちたかったと言うのが本音である。
「一つ確認したいんだけど、二人とも転移者って事でいいんすか、名前とかは日本人っぽくないけど」
「いや、俺もルリも転移者ではない、何ならルリは完全にこの世界の人間だ」
「...は?」
俺が答えると一瞬の間の後。将太がアホみたいな声を出した。
ちなみに俺と将太が『日本』って単語を出すたびにルリは首をかしげていた。
「じゃ、なんでシオン君は日本の文字がわかるんすか?」
当たり前の質問だ、転移者ではないのに日本のことは知っている、疑問に思わないわけがない。
俺はわかりやすいように説明した。
「まず、俺は転移者じゃなくて、
俺の話を聞いて将太はポツリとつぶやいた。
「なるほど、転生者っすか」
その後も俺と将太はお互いのことを話していった。
将太が転移してきたのは二年前の事で、こっちの世界には姉と一緒に来ていたこと。
アレスと出会っていろいろやってもらった事。
この世界での生きるすべを学んだ事。
そして一緒に来た姉がもう長く持たない事。
「ねぇ将太のお姉さんがもう長くないってどうゆう事?」
俺はその件については将太が言うまで聞くつもりはなかったが、ルリがあっさり聞いてしまった。
まぁたしかに気にならないわけではない。聞けば将太のお姉さん、花蓮さんは今19歳らしいし。
その年齢でどうして?とは思うがやはり何かがあったには違いない。
ちなみに将太は今年で17歳でこっちに来たのは15歳の頃だ。
完全な余談だが俺を含めたこっちの世界の人間達は13歳になる年に学園通えるようになるが、異世界人は別で、通いたい人間が通うシステムになっている。たいていの異世界人は冒険者になるらしいが、まぁ将太みたいな例外はいる。
将太は暗い雰囲気を漂わせ静かに語りだす。
「姉さんはこの世界に来て半年でかなり凄い
「なるほど、将太のお姉さん、花蓮さんを苦しめてるのは【バジリスク】が与える状態異常ってことね」
【バジリスク】この世界ではSSランクの魔物として知られている。硬い鱗で全身が覆われてて普通の武器では、まともに傷つけられない魔物。【バジリスク】の一番の脅威は奴が放つブレスにある。ブレスを受けと、状態異常 麻痺 になり魔法も使えないし動きもかなり制限される、さらに数時間後には、状態異常 猛毒 も追加され常に全身に激しい痛みが襲い掛かってくる。そこから一定時間経つと状態異常 衰弱 も重なりいよいよ意識が戻らなくなる。本来ならここまで状態以上が重なれば普通は帰らぬ人になるが、何かしらの方法で、この状態でも生きてるとさらにもう一つ悪い状態以上にかかってしまう。最後の一つは前例がほとんどないためどんな状態以上かはわかっていない。
「なぁ、【バジリスク】のブレスを受けたのは一年前間で違いないよな?」
「間違いないっすよ、まぁ約一年前っすけど」
だとしたらおかしい、【バジリスク】の状態異常になれば、完治しなければ一ヶ月以上生きてる事ができない、だが花蓮さんは状態異常が直ってないのに未だに生き続けている。まぁ長くはないらしいけど。
「姉さんは転移する時、スキル〔
俺が考えてるのを察してか説明してくれてくれた。
神からもらったスキルがあっても完全回復してないのは不思議だが、まぁそれだけ【バジリスク】が脅威って事だろう。
【バジリスク】の厄介な点は状態異常を直すことが難しすぎると言う事だろう。並大抵の魔法や薬では治らず、麻痺の状態を治すだけでも超級の回復魔法じゃないと直らない、さらに猛毒、衰弱は帝王級の回復魔法が必要になってくる。そして魔法の使用者が一人でなければならないと言う鬼畜条件、つまり魔法で治す事はほぼ無理に等しいのだ。
「猛毒状態の時に、ハルモニー、は使わなかったの?」
ルリが将太に質問をする、将太はそれにたいして「もちろん使ったっすよ、でもなぜかダメだったっす」と答えていた。
ハルモニーはほとんどの状態異常が治る高級な回復薬で【バジリスク】でも猛毒状態までなら治す事ができる、はずなのだがどうやら治らない事もあるようだ。
「なぁ将太、とりあえずお前のお姉さんの状態をみしてくれないか?必ずとはいえないが、できる事はするよ?」
俺の言葉を聴いて将太は考え始めた、そして少ししてから、申し訳なさそうに言った
「わかったっす、今から家まで案内するっすよ、姉さんの事よろしくっす」
それから俺たち3人は学園を出て将太が住んでる家までいくのだった。
そして俺が行く事のよってある秘密が明らかになった。
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