あの世へ



●星佳

「貸しっぱなしのCDの場所、まだ聞いてない言葉……もう一度彼と話せたら、彼の声を、もう一度聞くことができれば、私は……」


ギターの伴奏が流れ、一曲。(○〇)


●星佳

「よし、わかった!死神さん、私、倫太郎のあの世のたましい、うーんと、コン

タロウに会いに行く!そして、私のことを覚えていなくても…もしかしたら少しは覚えているかもしれないし、ははっ、そしたら、さよならってちゃんと伝える」


◎死神

「はい、はい!行きましょう。何しろ、時間がないんです」


●星佳

「でも、死神さん、どうやって行くの?」


◎死神

「だから、これ、どこでもドアです」


●◎二人

「どこでもドア~!」(ドラえもん風に)


死神、どこでもドアをゆっくりと開ける。

星佳、促されるままに、階段を上がり、ドアに入っていく。

その後ろを追って、死神が入り、ゆっくりとドアを閉める。


 ――暗転。

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