手紙

●星佳

「うわ、うわうわ」

星佳、階段を踏み外し、コケながら後退る。


◎死神

「そっちに、行ってもいいですか」(満面の笑みで、変態っぽく)


●星佳

「駄目です」(弱めに)


◎死神

「そっちに、行きます」(ホッホッホっと笑いながら)

死神は、一歩前へ出る。


●星佳

「駄目だっつってんの!」(今度は強めに)


死神、ショック顔でしばし固まる。


◎死神

「だって私、あなたの手紙を受け取ったんです」


●星佳

「手紙?」(首を傾げながら)


◎死神

「はい」


●星佳

「私、手紙なんて送ってない」


◎死神

「これですよ」

死神、胸元から可愛い封筒を取り出す。


星佳は封筒を確認するために、恐る恐る近付く。


●星佳

「どれ?……って、まさか、嘘でしょう、なんでこれ、倫太郎の、……棺に、入れて、もう焼いてしまった……」


◎死神

「中身を、少し、読んでいいですか?」


死神が封筒から便箋をガサゴソと出している間に、星佳は、ふらふらしながら、舞台中央の椅子に座り込む。



◎死神

「今夜も、一人きりで過ごしているよ」


――ギターの伴奏が入り、照明が暗くなる。


星佳にスポットライトが当たり、一曲歌う。(○○)

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