あとがきとか解説とか

 この作品は大学の部活用に提出したのを少し改変したものです。まあ改変といっても細かい文章の修正程度ですが。


 元々のテーマは「吸血鬼の生きる意味」です。第二話で触れたやつですね。人間ですら生きる意味を探し続けているのに、ましてや亜人はどうやって生きているのだろうと思ったところがこの小説のスタートです。ただそれだけでは少し物足りないということで、主人公の大学生という面にも着目して、少し恋愛を絡めてみました。思いのほかこっちがメインになってしまった感がありますが。


『人間によって創られ、人間によって殺される。亜人の宿命であり、しかも悲しいことにそれが己を定義づける核心となっているのだ。』


 この作品で一番理解が難しい文だと思うので少し解説します。

 亜人は人間が創り出した想像上の生き物。なので己を己で定義出来ません。そして人間が亜人を忘れたとき(伝承の途絶等)、その亜人はこの世界から存在がなくなる。しかしそうやって人間によって出現したり消えたりすることが亜人が亜人であることを定義づける核心となっている。ということですね。




 本当は冒頭のシーンは鉤括弧の中は空白で、最後のシーンで答えを明かすというつもりでした。でも書いているうちに「これは僕(作者)が答えを出させてはいけないな」と思って急遽ラストも空白にしました。

 なので最後に主人公がなんと言ったかは皆様の解釈にお任せします。僕的にはあっちかなあと……。



 というような感じですね。もうちょっと未玖先輩との関係を膨らませて、人間の醜さ、ドロドロさを描きたかったのですが、僕の力量が足りませんでした。精進します。


 それではこの辺で。また次回作でお会いしましょう。


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其の涙は雫と成りて 才野 泣人 @saino_nakito

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