　脱獄する時に、変なおまけがついてきた。

　イツハとかいう少女だ。

　なんでか知らないが、俺の名前を知ってるし、妙にこちらになついている。

　けれど、害ある人間ではないはずだ。

　殺気をぶつけてもどこ吹く風と言った風だし、行動は世間知らず極まりといった様子だった。

　しかし、底抜けに陽気だ。

　ちょっと疲れる。

　たまに真面目になるなら、いつもそうしてくれ。

　しかもよくしゃべるし。

　大したお喋り上手だと思う。

　どうでも良い事ずっと喋ってるし。

　推しとかゲームとか、異世界とか。

　でも、そんな明るさに救われてる部分があるのも事実だ。

　こんな状況で一人でいたら気が滅入っていただろう。

　だって、こうもうるさいと、暗い気分じゃいられないからな。

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