太郎は太郎。
絵之旗
第1話
俺の名前は太郎。
俺にはかなり頼れる相棒がいる。裕也だ。
裕也は俺のことを大事に思ってくれている。
一緒に遊んでくれるし、一緒に散歩したりもする。
楽しいことやうれしいことはいつも、裕也と分け合う。
俺は裕也を信頼しているし、裕也も俺を信頼している。良きパートナーとでも言えるだろう。それくらい、俺と裕也との絆は深い。
俺は背が小さいので、いつも俺は裕也を見上げる。
なんというか、嫌ではないが、たまには裕也と同じ目線になってみたい。
それに、見上げるってのは割と疲れる。
走るのは俺の方が速い。
裕也は俺よりかなり遅い。
いっちゃ悪いが走るのが下手だな。
俺の走りを見て、走り方を学んだ方がいい。
ただ、最近だらだらしてるから俺も体力が落ちてるかもしれない。
裕也はやさしい。
俺が裕也の言うことを聞くと俺のことを褒めてくれる。
たまにおやつなんかもくれたりする。
俺は子どもじゃないからいらねーけども、くれるっていうからもらう。
貰えるものは貰うのが俺の主義だ。
飯になると、裕也は俺に飯を与えてくれる。
「太郎。今日のご飯だ。」
ありがとう、と俺は返事をして、出された飯を食う。
裕也は俺の身体を撫でで俺のご機嫌を取る。
俺はいい気分だ。
俺は飯をガツガツと食べて、腹を満たす。
裕也は言う。
「太郎はかわいいな。」
男に好かれるのは正直いい気分ではないが、俺の後足にあるソレが勢いよくブンブンと振っていた。俺の身体は感情を隠せないらしい。それをみた裕也は一言。
「尻尾振りすぎだ、おめー。そんなにうれしいか。かわいい犬だなお前は。」
太郎は太郎。 絵之旗 @enohata
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