殺せってか?

「この女を殺せってか、穏やかじゃないな」

部屋にやってきた男は写真を見て、ソファにすわりこむ。

「まあな」

長官はそう言って椅子に深く座り込んだ。

「こいつは刑事を殺してるんだ」

「じゃあ普通に逮捕して、検察に渡せばいいんじゃないの?刑事殺しなら、一生豚箱にほりこむこともできるだろ、そこで殺しても、そのほうが楽じゃん」

「それができたらそうしてるわ」

「ふうーん」

男はニヤニヤと笑う。嫌な奴だ。でも、こういう仕事向きな奴だ。

「うるさいな、やらないなら、他の奴に頼むまでだ」

「で、秘密を知った俺もついでにころすってか?やってやるよ。」

「そうか」

「ああ、こいつの名前と住所を」

男は久美子の写真をヒラヒラさせながらそういった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る