おい、ちょっと待てよ

しごとの帰り

「おい、ちょっと付き合えよ」

と、ヤクザのおにーさん達から誘われた

私は

「帰りますので、急いでますので」

と、ナンパには用はネーヨという態度で横を通り過ぎようとすると

「おめぇに用が有るんだよ!」

と腕を掴まれる

そしてそのまま車に押し込まれた

「痛い事はしねーよ、用事がすんだら家にかえしてやる」

「まあ、気持ち良い事はするかもしれないけどな」

横と前のチンピラがヘラヘラと嘲笑う

しばらくして私は倉庫街の事務所っぽい建物に連れ込まれた

「着きましたー」

というと事務所の机の前のソファーには怖そうなオッサンが

「アンタに用事が有るという人が居るんだ、まあ、ちょっとお金をもらえるみたいだからさ、まあ、アンタもお金もらえるなら、いいんじゃねえの」

後ろで私の腕を掴んだまま、ソファーに座る男はそういった

私は腕に力を込める、魔力の流れを強くする

男の指が緩んでくる

「いやですわ」

「まあそういわねえでさあ」

ソファーの男は立ち上がり、私の前に立った

「こうやってみると悪くないな、あんた、写真写りが悪いって言われないか、連れて行くまえに、ちょっとまあ、化粧が必要か、それと、ドレスとな。」

私はそのまま車に乗せられて、また違うビルへと連れていかれる、そこで、美容師のようなオカマに顔をいじられるはめに

「あっら〜普段からお肌の手入れはしなくちゃだめよお〜〜〜」

このときほどオネー言葉のオッサンが気持ち悪いと感じたことはない

そしてブテックのようなところで服を選ばされる、けばい女性に色々着せられて、私は、普段の私とぜーんぜん違う風に出来上がった

「だれだこれは」

鏡を見せられて最初に出た言葉である

マー人間、よくここまで化けられるようなもんだ

異様に開いた胸元が寒い

「寒い、ちょっと上に何か着せて」

私はカーディガンを着せられ、そして白い靴をはかされてその格好で車に乗せられて、今度は住宅街の、何か大きな家に

「おつれしました」

出てきたのは50くらいのオッサンである

「いや私は連れてこいとはいってないぞ、監視しろといったんだろうが!それに何だこの、キャバクラみたいに、お前の趣味なんか!」

オッサンはヤクザにむかって怒ってる、ヤクザは早とちりをがわかったらしく、腰をおってぺこぺこと

「ネー私、帰りたいんですけど」

というと男性はこっちを向いて

「あ、すまんすまん、実はな、貴女に聞きたい事と、お願いがあってな」

「は?」

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