「舂」

翌日、会社で

「何だよ!今更、何の用だよ!」

「小田くん、ちょっとアンタに色々と教えてほしい事があんのよ。」

「ねーよこっちには!近寄んなよ!」

私は小田の襟元を掴んで壁に押し付ける

奴の足がぷらぷらしている、どうやら足は浮いてるみたいだ

女と思えない私の怪力に小田の目の色が変わった

怒りに満ちた目が、猛獣に襲われた子猫のような目に

・・・・・・・・・・・・・・萌え・・・・・・・・

じゃない!

「アンタの弟か兄にさあ、警察で妖怪退治で殺された人居ない?」

「おまえ、何を知ってるんだよ?」

「ということはマジか。私の妹が知ってたんだよ」

「ああ」

「国会中継でやってたりするだろ、東京都に妖怪出るのに、国家予算から3000億あまり出てんだよ。で、それが警察に使われたりとか、自衛隊に使われたりとか言うことなく、知事と警視庁の周りで消えてるのな。俺の弟はそれをネットで暴露したら、妖怪退治の素質があるから警察に来い、って脅されて、それからすぐに殺されたんだ」

「そのさあ、何で妖怪が出るようになったのかってわかるか?」

「知らんのか、首塚を地上げしようとしたら妖怪が出るようになったんだよ」

「あ〜でも、首塚って前と同じじゃん、何か結界も張ってあるし」

「きいてないんだろ、日本神道詐欺ってやつだ」

「ふーん、そうかのか、あ、でも、陰陽道を何とかって言ってたけど、あれって?」

「天皇の日本神道は嘘っぱちだけど、京都の安倍晴明とか四国の修験道とかは本物らしいんだ。そっから呼んで妖怪退治をさせてな、法刀よこせ宝具よこせでないと銃刀法違反で捕まえるとか言って知事と警視庁が没収しようとしてそれ以来、絶対に動こうとしない」

「まじかよ警視庁くさってんな」

「江戸時代から京都と東京は中が悪かったんだよ。春日の局っているだろ、あれ、京都御所で春日局って名前を貰ったんだけど、最初『舂日局』だったんだ」

小田が漢字をかいてくれた

「『舂』ってうすずくって読んで『太陽が沈む』って意味なんだよ『太陽が沈む局』って不吉じゃん!それじゃあ将軍が死ぬって事になって「春日」になったんだ。家光が頭おかしかったんは『舂』の呪いらしいわ」

「まじかよ京都御所の漢字辞典最高だな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る