素晴らしきかな、女神のお力!

 

「教室はこのままでいいようですね……センスもいいし……トイレもなかなか、女子用としては合格点ですね、化粧ルームがついているのがいい」

「でも男性用は不要ですね、この学園は猫の子一匹といえど、オスは侵入できません」


 そういって、ただ一つの男性用トイレを美子さんは撤去してしまいました。


 ここらで、茜さんがやってきました。

「美子ったら、もう仕事していたの、貧乏性ね、あら、教職員の方は決まったようね、早いわねえ、もう味見したの?」

「なんでそんな思考になるのですか!」

「だって皆さん、お道具がね」


 ここで稲田さんが、茜さんへ耳打ちしました。

「やっぱり変態なことをしたのじゃない」

 稲田さん、美子さんに、「口が軽いのだから!」

 などと言われました。


 そこへ施工業者がやってきて、予定通り終了したと報告にきました。

「御苦労さま、明日調べます、一応写真は撮っているのでしょう?」

「不都合があればお電話を差し上げます、なければ残金を振り込みます」


「なにかあれば云って下さい、これからもご指名をお願いいたします」

 そんなことを云いながら、校内にいた業者さんは引き上げて行きました。


「さて、本腰を入れましょうか?」


「ここをムスタンとつないでほしいのです、出来ましたら蓬莱ステーションとも」

 さすがに美子と茜が相談しています。


 宇賀さんが、

「クリームヒルト様には、私のほうで申し上げます」

「この者たちもリングを頂いた身、セキュリティでの問題はないはず」

 

 しばらく考えていた美子さん。

 綺麗な二階建の、多目的文化センターなどという建物へ歩いていきます。

 どうやらこれを大改修するつもりのようです。


「入口は隠さなければならないでしょう?」

「校内には一般の方も入ってくる可能性がありますから」


「それでは午後六時以降、一般の方々は校内から退去していただく規則をつくりましょう」

「夕刻からはシャットアウト、なんせここは女の園、それも極め付きの美女の館ですから」


「そうですか、では念のため、この校地全域を監視出来るようにしておき、部外者が誰もいなくなったら入口が開くようにいたしましょう」

「この建物は二階建て、階段がありますね、見に行きましょう」


 この建物の階段は、屋上に上がれるようになっており、美子さんは屋上階段室を少し大きくしました。


 ベントハウスのようになっており、窓もありません。

 屋上に出るドアが一つあるだけです。

 お洒落な照明が一つついています。


 午後六時以降、関係者がこのベントハウスに来ると、そのドアの反対側の壁が透明になり、小部屋が見えます。


 その壁を押せば、八角形の小部屋に入れ、さらに行先が書かれた、透明のドアが今のところ三つ有りますので、それを押せば目的の所へ行けるわけです。


「女の園ですからね、屋上庭園でも作っておきましょう」

 人工軽量土壌の上に、芝を敷き詰めています。

 ところどころに、テーブルとイスが固定されています、お洒落な雰囲気です。


「普通は転移すればいいだけなので、こんな面倒な事はしないのよ、でも学生さんですからね」

「三つ目は何処へ?」

「宇賀ビルよ、宇賀さんや稲田さんも便利でしょう」

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