採用試験は裸でね♪

 

「姉さん、あきらめましょう、今日の午後から教職員さんの面接が有るのでしょう?その方が大事よ」

「私たちも寄宿舎に泊まればいいことだし、明日といわず今夜には、この敷地から関係者はいなくなる訳だしね」

「えっ、夜間に仕事!」


「だから今から寝ましょうよ、二人で」

「♪そうね、そうしましょう♪」

「お静かにお願いしますよ!まだ上の階は業者がいるのですからね!」

「はいはい、静かにします♪」


 二人が二階の一室に、昼寝などに行ってしまいますと、真野さんが、

「ちょっとお可哀想ですね」

「そうですけど、これで何とか開学できる、タイムオーバーしそうでしたから……」


「とにかく真野さん、西田真理亜と益子和子が降りてきたら、相手をしていてくださいね、私は教職員さんたちの面接をしてきますから」


 教職員の希望者が集まってきています。

 宇賀さんが相手をしていました。

 教員は稲田さん、職員は宇賀さんの担当と、割り振りしていたのです。


「遅かったわね、なにかあったの?」

「茜様と美子様が来られて……お仕事をお願いしていましたので……」

「あのお二人に?よくしてくれましたね」

「この後もお願いしました」

「後が怖いわね」


「この際、働いてもらわなければ、間に合いませんので」

「まぁ、それは後でね、いまは先生方を決めなくては、でもね、問題がありそうなのよ……ごらんなさい」


 集まっている面々を見て、驚いた稲田さんです。

「若い方ばかりですが……」

「それより、服の下を見てみなさい、神通力がたりませんね」


「……P220、桜にW……陸上自衛隊……それにニューナンブM60、これは警察ではないですか……」

「内調もいるようですよ、H&K P2000が見えます」


「いわゆる関係者以外の方、一人もいないようにみえますが……」

「公募に応募した者を辞退させたようです」

「辞退の連絡が多々ありましたから、でも困ったわね」


 稲田さんがニャッと笑い、こう云いました。

「宇賀様、これなら話が早いのでは?私にお任せを」

 そして集まっていた面々に向かって、

「さて、教職員公募に応募された皆さま、面接は終わりました」

「いまより、こちらから出す条件をお飲み下さるなら、全員採用いたします」

 

 ……


「ここにお集まりの皆さんは、全て陸上自衛隊、警察、内調などの、アジア大司教区政府関係の方々、そのような意味で一般の方々はおられないようです」


「だから私たちが、どのような存在かは承知の上でやってきているはず、皆さんは覚悟して来ているのでしょう?」


 この時、言葉の続きを侵入者に奪われました。

「稲田さん、私に任せてくれない」

 ゆらゆらと陽炎のように、美子さんが実体化しながらいいました。


「私が皆さんがいうアウロラです、さて話をしようではないですか」

「こうして私が目の前に出てきたのです」

「このような場所に、物騒な物を持ってきた以上、それなりの対応をさせていただきますよ」

 一瞬で服が消えてしまいました、勿論、物騒な物もです。


「全裸にしなかっただけでも、ありがたいと思ってね、でも皆さま、いいお身体ですね、条件はね、私の女奴隷になっていただきます、そうでしょう?稲田さん」


「その通りです、出向として扱いますが、女神さまがお望みになられれば、全てを差し出して頂きます」

「嫌ならお帰り下さい」


 五分ほどの間に、三割ほどの方がお帰りになりました。


「さて、残った皆さんはいいのですね、私の女奴隷になるのですね?」

「分かりました、では全裸になってもらいましょうか」

 ここで一割の方がお帰りになりました。

 残った方々も、泣きそうな顔をしています。


「つぎに四つん這いになって、お尻でも突き出して頂きましょうか?」

 この一言で二割の方がお帰りです。


「御苦労さまでした、皆さん採用です、蓬莱御巫(ほうらいみかんなぎ)に採用いたします」

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