ヤマイダレ「. .. ...」

@kakur437

第1話 はりーシという人間

学校からの下校中、携帯が気になり近くのコンビニの壁に凭れると、一息ついた。

帰る前、僕は帰る方向とクラスの違う友達のマルフォイに一声掛けようと思い、席を立ってクラスを覗いてみたんだ、けれどマルフォイはいなかった。が、替わりに親しくもないし、どちらというと『イヤなヤツ』だと距離を置いている同級生の女子の背中が見えたので諦めた。どちらかと言うと、諦めざる得なかった、といったほうが合っている。今更ながら、後悔をした。なぜ校内を探さなかったのか…掻いた髪が乱れる程度には落ち込んでいる。彼女もマルフォイ同様、有り体に言えば変人だ。

変人と言っても彼女はマルフォイと違う、極端な言い方をすれば『サイコパス』に近い変人だと個人的に思う。尤も、僕が謂う『変人』と言うのは一般論だ。見方を変えれば違うかも知れないが僕は彼女を変態、変人だと決めつけている。

彼女とSNSを交換したのは悪い思い出だ。最初はそうでもなかったんだけどね。現在では彼女との縁を断っているため、避けている。もっとも、学校に居る間は他の人と同じように接している。つもりだ。それと、SNSもブロックした。

彼女の事について、マルフォイに相談したら「な・か・よし~♪」と軽く茶化されてしまった。「真面目に言っているのか?」と訊いてみたところ、捻くれたように「モテてるね」あしらわれた。

僕の通っている高校は『芝浜高校』って所で、度重なる増改築によって見た目が複雑怪奇になっている。入学しようとした理由は、公立が創ったダンジョンみたいだったからで、尚且つ雰囲気だったからでもある。あ、あと、僕の想う理想郷からでもあったからだ。マルフォイはどうだったのか知らんけど。


出入口から客が出入りするのを横目で眺めながら、頭を少し傾けポケットに手を突っ込むと幾何学的な模様のケースで着飾ったスマホを取り出した。メール…バイト先からメールがないか確認するためだ。

電源を入れてメールボックスに視線を落とした。新着メールはなかった。マルフォイに何か話そうと思い立ち、電話を掛けてみたんだが出なかった。先に帰ったのかな?それなら、それでいいかな、と携帯をポケットにしまうとコンビニで飲み物を買って帰路に戻った。マルフォイのヤツ、メールくらいくれてもいいのに、何で電話にも出ないんだ?


今日も今日とて、何もやるとこがないので趣味でやっているゲーム実況に新シリーズとして何かやるか。


ここからが、ほんへ…です。


いかにも『サービスが終了しそうなオンラインゲーム』達をやっていきたいと思います。というのはですね、サービス終了が決定したゲームではなく、個人的にそう思うゲームの事です。あらかじめご了承ください。

予定としては、1話辺り1つのオンラインゲームを紹介していきます。

毎回、毎回、違うオンラインゲームを紹介したいと思います。

では、今回紹介するオンラインゲームについて語っていきます。


《釣り天使》知っていますか?

ネット上の何処を探してもこのゲームのプレイ動画が1見つからなかったです。プレイ動画が1つもないって、それだけで何か凄いですよね。このゲームを簡単に説明しますと、『天使達』が『釣り』をする『オンラインゲームRPG』…。何を言っているのか分からないと思いますが、僕も分かりません。

この説明だけで頭がパンクしそうですよね。

参考画像が何枚かあったのですが、どれも意味不明で、女の天使(みたいな)に3人の男が求婚している画像や天使(みたいな)が乳絞りをしている画像…があるのですがまったく釣りをしていません。何か察せられるモノがありますね。

「何だこのゲーム…」

からの、このゲームのページの中に「釣りだけじゃない!」っている文章もあってか、色々と凄いですよね。


情報収集してみた所、ネット上で唯一このゲームについて紹介しているブログがありました。本当に貴重なブログですからね。

タイトルは「釣り天使とかいう神ゲー」

「(何だろうこの、雰囲気は、ドス黒い感覚はッ!)」

このタイトルってことは、もしかしたら面白いゲームかも知れませんね。

『現在オープンベータ中のこのゲーム…どうやら女の子と出会えるらしい…!』

いいですね👍

「と、聞いて2週間ほどプレイしてみたのでそのレビューを書いてみます…と、いってもアホらしくなってフォルダごと削除してしまったのでSS(スクリーンショット)がありません!」

…前言撤回。面白くなさそうですね。

「まずスタート開始時、スタート地点の横にGM(ゲームマスター)がぼっだちしていて驚きました。チャトの仕方の分からない僕に『wis』を送ってきました」

これ、本当…ですかね?

「早く服を着てください」

「?????????何言ってんだこいつwwwwwwww」

「開始時はパンツというか水着一枚なのですが、どうやらそれがマズイらしい?インベントリと開いてみると、ファッションな服があったのでとりあえず着用」

「チュートリアルをある程度こなすと、一緒にプレイする予定だった身内がINしてきたのでお互いに色々と教えあったり、雑談等をしながらこのゲームの醍醐味である釣りに挑戦することに」

「3分ほど試行錯誤をしながら楽しんでいるとおもむろに先ほどのGMが走ってきてこう言いました」

「嵐はやめてください」

……?いや、あの、この文章を読んでいる限りでは、嵐?荒らし要素ないんですが、どこが引っかかったのでしょう。何か問題があったのでしょうか。

「嵐?あぁ釣りだし、天候要素とかあるのかな?いやでも晴れてるしなぁ等と思いつつ初心者の自分達には関係ない、と釣りを続けること30秒後…」

「\突然のBAN/」デデトン

流石にこれは、話盛っていませんか?

そんなゲームあるんですかね?

「どうやら一般チャトを使用する、嵐、荒らし行為と判断されてBANされるらしいwwwwwつーかGMがネットスラング使うなよ、しかも古くて分からなかったしwwwww」

「ちょとこんなクソゲーについて時間かけて書くのめんどくなってきた」

これは、この方からの心からの叫びでしょうね。痛いほど分かります。

「その後、アカウントを作成していろいろ試してみたのですが、すごい厳しかったです」

「①一般チャトを使用するとBAN

②服を着ないでプレイしているとBAN

③釣り場に入るとBAN

④ジャンプするとBAN

⑤GMに「こんにちは」って挨拶するとBAN

⑥PTチャト(パーティーチャト)でGMの悪口を言うとBAN」

…独裁政治じゃねぇか。

完全にオンラインゲーム界のポル・ポトですよね。もう、そのうち『こいつ眼鏡掛けてるからBANするわ』ってなりそうです。…でもこれは、話盛ってますよね。

その後、『釣り天使』のスレッドを発見しましたので、そのページを見た所、全部本当みたいですね。

スレッドがpart1からスレが100もいってない事にも驚きでしたが、中には面白いスレがありました。

「初心者クエ、全部終わったのにBAN食らったわ。今回は30分もったな。運営『そのネーム迷惑でしょ』王袋『王です玉ではありません。あなたの心が汚れているのです』言った直後にBANかよ」

な、何なんですかね。

ついこの間までこのゲームをプレイしていた友人のきよし君からですね、このゲームがどんなゲームなのか訊くことができました。

それでは紹介したいと思います。

「『コアなゲーム』ということもあり、今でもプレイしているプレイヤーは、運営の思想に染まった人達しかいなかった。

そのため、自分は初心者で右も左も分からないのに少し間違った行動をを取ったらボコボコの袋叩きにされた。自分にはそんなつもりはないのに、何故か、強大な帝国に一人で立ち向かう反乱兵、というシュミレーションRPGをしているような錯覚に陥った。

肝心のゲーム内容は、というと大人気シリーズ『牧場物語』からストーリーと牧場要素を消したようなものである。

簡単に言うと、ベルトコンベアで流れてくる機械のネジを締めるだけのバイトを低賃金でやらされるようなものであり、苦痛でしかなかった。

人それぞれの感性があると思いますが、僕には合わなかった。という事だけ伝えておきます」

by.元釣り天使ユーザー:きよし君

えぇ、という事らしいですね。

1つ気になったのですが、『牧場物語』って言葉から『ストーリー』と『牧場』を引いたら、何も残しませんよね。

どうやら僕は、踏みいってはいけない世界に踏み込もうとしているようですね。

それでは早速、会員登録の方、やっていきたいと思います。


恋人を探すゲームでもありますからね、名前は決まっています。

どーも、Syamus…似てませんね。

やっぱり、ハンドルネームじゃなくて本名にしましょう。キャラクター名は『浜崎順平』で登録しました。紹介者って欄もありますのでこのゲームに適した人にします。『たれぞう』で良いでしょう。

ん?何か分かりませんが登録画面にページが立ちましたね、何でしょう?

こッこれは、

『たれぞう』は釣り天使会員です?

しかも、第3期釣り天使エンジェルナンバー?として登録されてるし…。

ん?という事は、

という事は、つまり『たれぞう』=『ゼウス』、『ユーザー』=『天使』、天使は神の使い。つまり『たれぞう』=運営⁉

ってことですかね。

ま、そんなことどうでも良いんですけどね。

さぁ、スタートボタンをクリックして…

ここから、新しい物語が始まるんですね。

……

…………………

あれ?ゲームが始まらないな。まさかもうBANですか?しかもカーソルの挙動が鈍いし、ラグかな?もしかしてこのゲーム、容量が重いんですかね。

開始する前にBAN…あ、始まった。

でも開始早々にBANってのは流石になかったですね。

にしても、このキャラクリ画面、クッソ重いな。


では、キャラクタークリエイトしている間に、何故このような物語を創ろうと思ったのか、説明していこうかと思います。良ければご清聴ください。

1つは、VRモノのゲーム(VRRPGとかシミュレーション型VRMMOでしたっけ?)を題材にした物語が多過ぎてつまらないんですよね。あくまで個人的な感想ですが。どうせ、物語を書くならネット上で誰もプレイしなさそうなこのゲームでランキング入り出来れば、このゲームの現状が変わるのではないか、と思ったのがきっかけです。

「あ、こんなゲームを題材にしたノベルでもランキングに入るんだ、じぁ俺もアレやってみようかな」って思って読んでくれる投稿者が居るかも知れませんからね。でも本当は、創りたい物語を創るのが一番だと思います。

まあ、この物語がランキングに入れるかって言われたらかなり難しいんですけどね。だって、誰も検索しないんですからね。

あと、もう1つは、2011年にあった『フリージャック(FREEJACU)』ってオンラインゲーム、知ってますか。

簡単に言うとレースゲームなんですが、何が凄いかって言うと、サービスが開始して1ヶ月以上経った金曜日の19時、学生が家に帰ってきて「明日休みだから、ゲームするぞ」っていう時間帯でもサーバーに接続しているのはたったの20人、月曜日の早朝なんかになると日本でログインしているプレイヤーは僕1人、なんて事もありました。

システムは充実してましたけどね。

例えば、広場っていう雑談スペースがあるんですが、公式サイトによるとプレイヤーが1000以上集まれる超巨大スペースだって意気揚々と書いてありましたけど、半年ほどプレイしてそこで他のプレイヤーと遭遇した事が一度もなかったですね。そのぐらい過疎ってるゲームだからすぐにサービス終了したのですが、英会話のオンラインゲーム『ちょいトレ英会話』って皆さん知ってますか。知りませんよね。って、かなり誰得なゲームがあるのですが、その英会話のオンラインゲームですらサービスを終了しなかった『ファンビット』会社が唯一、サービスを終了したのがフリージャックとなってしまいました。

大好きなゲームなだけに、英会話のゲームに負けたのはショックでしたね。このゲームが忘れられなくて、ブラジルサーバー、アメリカサーバーでわざわざアカウント取得してやってましたが、やっぱい過疎ってました。世界共通で、つまらないってレッテルを自分から貼る事になりましたね。

でも、サービスが終了する前は大盤振る舞いでしたね。

1:課金アイテムが全て無料

2:普通なら、成功率たった2%でしか入手できないレアアイテムを無料で40個配布

もう、運営のやっている事がノストラダムスの予言を信じて金を使いまくった、それと同じレベルでしたね。(コ↑コ↓は都市伝説マンガで有名な『MMRマガジンミステリー調査班』と同じ匂いを感じました)

完全にやけくそ、極めつけは、『さよならフリージャック 経験値100倍キャンペーン』ってのがあってですね、2倍や3倍じゃないですよ、100倍ですからね。それに関して2ちゃんねるあった書き込みがですね、「人が居なくて経験値100倍でもレベルがあがらないんですけど」ってのを見た時は流石に笑っちゃいましたね。そんなフリージャックがなんと去年DMMで復活したした。(転生したんですかね?)

復活を待ちに待った僕は、早速サービス開始初日、ログインしたらですねサービス接続人数は14人で部屋の数(ゲームルームのこと)は2つでした。まあ、まずまずかな、と思いましたね。いざ、部屋に入ると皆が口を揃えて言いました「あ、○○さん?」結局ですね、プレイしているのは僕の同じで昔からやっている人だけでした。サービス再開してもただの同窓会、ということですね。そんなフリージャックが今どうなったかというと、まさかの4ヶ月でサービス終了しました。

サービス終了、という文字を見た時に、僕はブラックジャックの二度死んだ少年の「どうしてわざわざ二回も殺すんだ。なぜあのまま死なせてやせなかった⁉」って台詞が頭を過りましたね。結局ですね、何が言いたいのかというと、サービスが終了してしまうのはしょうがないんですよ、色々な要因がありますからね、ただサービスが終了する前に「こういうゲームがあった」という事だけは皆様に知って欲しいんですよね。

scp風に言いますと、世界を無駄死にさせないでくれ。

我々を忘れないてくれ。

と、言う事ですね。

「どういう事です?」

「私にも分からん」


ロード画面にクラウドが居ますね、サービス終了しそう、とか言ってましたがアレ嘘でしたね。ファイナルファンタジーとコラボするのですから、まだまだ、活気がありますよね。しかもクラウドって事は、最近発表されたファイナルファンタジーのVIIのリメイクが決まってからのコラボですからね、いやー凄いな釣り天使。お金持ってますね。


もうこのゲーム、嫌いになってきた…


スタート位置の公園でしょうか、雰囲気は悪くないですね。何か想像してた世界よりも違って良いですね。それじゃあ、一発咬ましましょう。

「おっす!釣天使に本物の天使がやってきたぜ!」

これで行きましょう。


あれ?またゲーム画面にページが立った。

あれ?操作……

まさか、2、3秒でBANですか。


後編へ続く


あとがたり


どうもこんにちわ、はりーシと申します。本名は針生 哲です。

長々とありがとうございます。

この話、ですね、全くゲームをプレイしていないんですけど次回の方にご期待ください。

ホントはですね、あとがたりはしない予定だったんですよね。

では、また、次回にでも会いましょう。

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