白と黒だけの世界
世界は変化してきた。
いや、それをいえば、ずっと変わり続けているのだろうけど。
それは良い悪いというよりも、世情や価値観の変化に伴った必然なのかもしれない。
それでも何だか、情緒や風情みたいなものまで失われてしまったような気がするのは、わたしが歳をとったせいなのだろうか。
待つこと。
我慢すること。
察すること。
思いやること。
勿論、これらは良いことばかりでは無い。
けれど、ただ愚かなだけのことでもあるまいに。
全てが簡略化されて、サッパリ切り捨ててしまった世界、まったく余白のない世界は何だか、いたたまれない。
世界は昔よりも、色々認められるようになって、解放されて、自由になったはずなのに、どうして、こんなに殺伐としているのだろう。
群がる軍隊アリのように、目の前のものを食い散らかしては、次の獲物を探して前進していくような世論。
考え込みすぎるのも自分を追い詰めて良くないけど、でも深く考えることを止めてしまうのは違う気がする。
無駄だと思っていたことの大切さに後から気づくこともある。
無意味だと思っていたことが実は意味をもってくることもある。
だからせめて、我が心のなかだけは、沢山の色を探し続けて、見続けていたいと思うのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます