「もったいない」の心
わたしは物持ちがいい。
祖母も母もそうだった。
洋服にしても、汚れが落とせなくなって破れたりすればさすがに捨てるけれど、それでも可愛いアップリケの部分などは切り取って、普段着のズボンの薄くなった膝当てに縫いつけたり。
戦争で物が無かった時代を生きてきた祖母たちは、ひとつの物を大切に使っていた。
口癖のように「もったいない」と言っていたけど、決して嫌な感じではなかった。
それは
物に感謝して慈しんで使いきるという心が、そこにあったから。
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食べ物を残すことも、いけないと
食べきれないと思ったら、最初から言って量を減らしてもらうこと。
御飯茶碗にご飯粒を残すと怒られたものだ。
魚の食べ方も祖母が教えてくれた。
「肉でも魚でも野菜でも生命をいただいているのだから、食べ物を無駄にしたり粗末にしてはいけないよ」
「どれだけ食べたくても食べられない人が世の中にはいるんだよ」
だからこその「もったいない」だった。
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わたしの趣味は読書と雑貨集めで、本はまだ古書店へ時々売るけど(焼け石に水ともいうが(^^;)小さな硝子細工などは中、高校生時代から集めていたので、もう何十年物?というのも多い。
それより後の物も失くしたり壊れたりということはあまりないので、自然と物は増えてくる。
最近はさすがに趣味関係の購入は控えているけれど(本関係と文房具は除く(^^;)
わたしの持っているものは皆、言ってしまえば
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小さな硝子のブローチがある。
美しい虹色だけど、硝子は経年劣化でくすんでいて、周囲を囲むラインストーンの一つは取れてしまっている。
少女だったわたしの、紅色のビロードワンピースについていたもの。
これも大切にしている。
もったいなくて……だってこのブローチには懐かしい想い出が詰まっているから。
もったいなくて……だから未だに捨てられない。
きっと、この先もずっと、大切に持っているだろう。
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