「好き」を探しながら

嫌いなもののことを考えるより、好きなもののことを考えていたい。

そして、どうせなら好きなものが沢山あると、より楽しいと思うのだ。


***


わたしは食べ物の好き嫌いが無い。

だから単純に何を食べても美味しい。


ただ、何にでもアレルギー問題はあるし、好き嫌いがなければいいとか、嫌いなものがあるのはダメなどと言うつもりはない。


何が言いたいかというと単純に

”好きだと思うものが沢山あると、その分、楽しいことも沢山になるよね”

ということ。


食べ物でも、どうしても食べられないものや苦手なものはあるだろうし、アレルギーならそれは命にも関わってくるから、これはまた別のことになる。


でも、そうでない食わず嫌いは、ちょっと勿体ないなぁと思う。

意外に、ひと口食べてみたら、え!こんなに美味しかったの?ってことはある気がするから。


わたしのことで言えば、実はチーズ。

とろけるチーズというのに、まだ出会ってなかった幼少の頃は、あの固いクセのあるチーズらしさ?がどうにも苦手だった。


でも大人になってピザを知って、とろけるチーズを知ってから美味しさに目覚め。

色々なチーズを食べるようになり、今は好きな食べ物のひとつ。


こんな風に、その時の状況、年齢、タイミングで感じ方が変わることって結構ある。


***


これは本とかにも言えることで、全然面白くないとか、合わないなぁとか思って、それから読まずに敬遠していたジャンル、作者、作品を、別の状況の時に歳を重ねてから読んで、評価が全く変わったこともある。


反対に若い頃好きだった作品に感情移入できなくなっていて、ああこれは、あの頃に読んだから響いたんだなぁと思うこともある。


そして、だから、嫌いと拒否するよりも、少し”置いておく”というのもアリじゃないかなと思うのだ。


不平不満、嫌いと文句ばかりに気を取られていると、すごく疲れる。

いや、その反骨精神?というのが必要なものだというのはわかるのだけど。

何もかも事なかれ主義の人間ばかりでは世の中は成り立たないだろうし。


でも少なくともわたしは、嫌いを意識してピリピリした感情に囚われてしまうと、どうもいけない。

まぁ、器が小さいということだと思う。

大局を見ることができる人はいいのだろうけど、わたしごときの分際では苦しい。


だから、できるだけ「好き」を楽しみながら、探しながら生きていきたいと思っている。


***


美味しいなぁ、綺麗だなぁ、嬉しいなぁ、楽しいなぁ……。

当たり前のようにそこにあることも、改めて見ると、気がつくことが沢山ある。


世の中には知らない美しさがまだ沢山ある。


悲しいことや苦しいことの多い時代であるけれど、でもだからこそ「好き」を探しながら、”ありがとう”と生きていけたら、と思うのだ。

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