休み下手
わたしは、休み下手だ。
今は少しはマシになったかと思うけど。
***
当たり前だけど、人間、休まなくては動けなくなる。
ずっと走り続けてばかりだと倒れてしまう。
だから、キチンと休憩を取ることは、新たな力を蓄える為にも必要だ。
*
わたしは、どうもそのバランスが上手くとれない。
休むとダメになるような強迫観念に囚われてしまう。
休んでいても、心の何処かで気にしている。
休む時には休むことに集中すればいいのに、休んでいる間も考えていたり落ち着かなくて、休みを早めに切り上げたりしてしまう。
*
若い頃は、これで何度も失敗した。
真面目というより、これでは人様には迷惑だろう。
こんなことをされたら周りが休みにくくなってしまう。
それに、そんな無理をすることが続くはずもない。
要所要所をキチンと掴んで、緩急をつけてやっていく。
しっかり休んで、しっかりやる時はやる。
この、みんながちゃんと出来ることが、昔のわたしは、なかなか出来なかった。
『もっと肩の力を抜いて』とは、今でもよく言われるけど(整形のリハビリとかでも)若い頃は本当にガチガチに無駄な力ばっかり入って空回りしていたと思う。
*
歳を重ねてきて、沢山の失敗と色々な経験をして、やっとほんの少しだけ、肩の力の抜き方がわかってきた。
でも、わかってきただけで、未だに無意識に緊張している。休み下手も相変わらずだ。
これはもう習性なのかもしれない。
*
今は、人に迷惑をかけたりしないように、力を抜いているフリくらいは出来るようになったから、若干はマシになったのかなとは思うけど。
休みたくないわけじゃないし、わたし自身がリラックスしたい、力を抜いてラクにしたいと思っているのに、これが難しいというのはどうしてなんだろう。
どこまで生きるのが不器用なんだと、我ながら情けなくて呆れる。
***
怯える小動物みたいじゃなくて、泳ぎ続けてないと死んでしまうというマグロ(でも実際はそういう訳でもないそうだが)みたいじゃなくて、のんびりとゆったり、おっとりと生きていくのが理想だ。
それができたら、どんなにかいいのに。
いつも溜息とともに、そう思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます