謝りグセ
『ごめんなさい』『すみません』と素直に謝れるのは、悪いことではないと思う。
でも、それが口癖になると、ちょっと違うだろう。
***
『ごめんなさい』『すみません』という言葉に罪はない。
それを発する方の問題なのだ。
何かを発言したあとの、もしくは発言前に、保険をかけるように謝ってしまう時がある。
まず謝る、謝っておくという弱気な思い。
*
謝るのはプライドが許さないし、自分が間違えることなんてない、という人もいて、それはそれで、わたし的には、やはり相容れないと思うんだけど。
反対に謝りグセのある人間(これは、わたしのこと)は、何だか『ごめんなさい』『すみません』を安売りしているみたいだよなと思って切なくなる。
わかっているのだ。安売りみたいな、謝罪をしたい訳では決してないのだもの。
*
怖いのだろうなと思う。
嫌われたくない、怒られたくない、そんな怯える気持ちが謝っておきたいという気持ちを発動させるのだ。
*
『ごめんなさい』は『御免なさい』
『すみません』は『済みません』
と、書く。
どちらも謝るだけの言葉ではなくて、気遣いの言葉でもある。
本来、優しい言葉なのだ。
*
だから、自分が過剰な謝意として口癖に使ってしまうことに自己嫌悪する。
もっと大切に使いたい。
卑屈に使うには美しすぎる日本語だから。
***
とはいえ、長年の習慣、癖になっているものはなかなか、抜けてはくれなくて……。
だから、せめて最近は、何かをしてもらった時には、『ごめんなさい』や『すみません』よりも、『ありがとう』を使うように心掛けている。
『ありがとう』も温かな言葉だ。
これは、言っても言われても、嬉しくなる言葉だから。
*
『ありがとう』
と
『ごめんなさい』『すみません』
この美しく優しい言葉たちを、ちゃんと、大切に使えるようになりたいなと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます