この世の不思議なこと
この世には沢山の不思議なことがある。
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わたしは小心者の怖がりだ。
でも有難いことに、霊的なものやお化けを見たことはない。そういう怖い経験をせずに、ここまで生きてきた。
それでも、だからといって、そういう事を全部否定したいとは思わない。思えない。
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人ひとりの知っていることなんて、たかがしれているだろう。ましてや、わたしなんて、知らないことの方が多い人間だから尚更。
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霊的なものや怖いものを見たことがないと言ったけど、きっとそれは、”カミサマ”(わたしは宗教的信仰心がないので、こう表記している)が、わたしのあまりのノミの心臓ぶりと、お猪口の器に、見せないようにして、驚かさないようにと気遣ってくださっているからだろうと思っている。
わたしにとっての”カミサマ”は、わたしを見守ってくださっている、色々な存在で、何かを祈ることで求めるというよりも、感謝する対象だ。
わたしの器はすぐ溢れてしまうし、人並みの大きささえないのだから。
下手するとショックで昇天しかねない。
それもあんまりだからと、”カミサマ”は思われたのだろう。
これに関しては、是非ともこのままでと、心より願うばかりだ。
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曖昧なこと、わからないこと、及ばないこと、それは余白の様なもので、ギリギリキッチリに隙間なく切り取られてしまうと、剥き出されたまま隠れる場所もなくなったみたいで、むしろ怖くなってしまう。
何もかもが全て解き明かされ、仕分けされ、不思議も曖昧も無くなり闇を失った世界の、砂を噛むような虚しさ残酷さを思うと身が震える。
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不思議なこと知らないことは、救いでもあるように思うのだ。
人は闇の中で眠る。瞼を閉じて暫しの休息と、そして安らぎを得る。
闇が無く光だけなら、その眩しさに晒され続けて疲れてしまうだろう。
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不思議なことは、人に沢山のことを考えさせてくれる。
そうして、そののりしろは思考と思考を繋ぎ、それらを広げていく。
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解き明かされないものを持ち続けていたい。
知らないこと、分からないことを
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