真面目不真面目

 お笑いや芸人さん、喜劇役者さんが大好きだ。コメディもギャグも。


 ニヤリからフフフからアハハハ、ギャハハハ!ひー!笑いすぎて苦しいよー!まで。


 笑いには人をリラックスさせて癒す力があると思う。


 実は、わたしは結構なお調子者なのだ。

 おふざけも好きだし、しょーもないギャグがウケると嬉しい。

 悪ノリしすぎて息子に叱られたりする時も多々ある。


 ***


 そういう時のわたしは、昔の『パタリロ』みたいな口をしてケケケと笑ったりする。

 なんなら『クックロビン音頭』を歌い出しそうな勢いだ。


 まったく、人様にはあまり見せられない人格崩壊ぶり。


 *


 実際、変にグルグル思考迷路に入ってしまった時のわたしは、シェークスピア悲劇の「ハムレット」かと思われるくらい眉間シワが寄って、この世の終わりみたいな顔になったりしている。

 気が小さいから、何しろ基本は真面目だ。


 怒られそうなこととか、目立つことなんてしない。そんな面倒くさくて怖いことするくらいなら、ひかれた線の上を大人しく歩いていた方がずっといいではないかと思う、器の小ささっぷり。

 日々これ何事もなし。日日是好日。


 *


 とはいえ、わたしは単純なのだ。

 さっきまで眉間にシワ寄せていても、ちょっと褒められたり、一つでも嬉しいことがありさえすれば、イチコロだ。

 てへへへ、ニマニマニマと抑えきれない笑みが漏れ出す。


 そして懲りもせず、おぶざけを言いたくて、うずうずしてくる。


 *


 ハッキリ言ってギャグセンスは壊滅的にない。

 悔しいけれど、息子らを呆れさせるレベルだ。


「おお!今日のは、かなり笑えたじゃん。52点!」

「えー!そこは100点じゃないの? せめて80点くらいとかさぁ」

「何言ってんの、いつものあれは10点あるかないかだからね。52点は大盤振る舞いだよ」

「でもさ、その2点は何よ」

「人としての情(キッパリ)」

「くーっ!それが、2点なんかーい!」


 *


 思ったのだか、もしかしたら、わたしは単に変なヤツなのかもしれない。

(え? 今更そんなことに気がつく?)

 でも変なヤツ止まりで、それが個性的とか、人とは違うキラリと光るセンスにならないから、しょぼくなる。

 こう……渾身のはずなのに……地味だ。

 まぁ、考えたら、そのしょぼさが、ものすごくわたしらしいともいえるけど。


 ***


 いつか、ドッカーン!と大ウケして息子達をギャフン!と言わせてみせる、というのが、現在のささやかなる野望だが、ギャフン!だとか言ってる時点で、その道は遥か遠い気がする。


 はぁ……。


 *


 ギャフン(><)

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