普通に生きることは案外難しいのかもしれない
覇気がないのかと言われてしまえば言葉もないけれど、わたしは何事もなく、平凡な同じような毎日の繰り返し、変化のない日々というのが好きだ。
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刺激とかいらない。
特別でありたいとも思わない。
そんな能力があれば別かもしれないが、能力もないのに特別な立場になったりしても、それは悲劇か……喜劇でしかないだろう。
普通というのも、随分あいまいな定義だけど、とにかく出来るだけ極端な山も谷もない方がいい。
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本当にね、ジェットコースターみたいな人生なんて実際、そんな楽しいものじゃない。
少なくとも、わたしはそうだ。
ホラー映画だって愛憎ドロドロ悲恋ドラマだって、あれは安全な部屋のお気に入りソファの上で、恋人の肩にもたれながら見るなら楽しかろうけれど、登場人物になりたいなんてことは全く思わない。
言ってしまえば、特に現代日本でドロドロ人間関係拗れまくるのはキツくて最近駄目だ。
寧ろ、昭和以前とかの様式美ゴシックものとかの方が切り離して楽しめるけど。
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わたしは、ひたすら穏やかに(一部の人言うところの)退屈な毎日というのを切望する。
ハッピーエンド万歳! こねくり回して無理してザワザワする終わり方にしなくてもいいじゃないか。
みんな幸せに暮らしましたじゃ駄目なのか。
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不思議と色々なものを持っている人間の方が刺激を求めるような気がする(これ、持たないものの偏見だろうか)
持っていることが当たり前になると、当たり前のことは数に入らなくなって有難みも失せるのかもしれない。
時々、『おいおい!そんなに粗末にするくらいなら、こっちにくれたら大切にするのに』というようなのを見せられることがあると、人生って不公平なものだなぁと複雑な気持ちになる。
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それと、人の不幸は蜜の味とかいう人もいるらしいけど、そんなの見て楽しくなんてないけどな。
見ていられないというか(別にわたしが良い人とかじゃなくて)いたたまれなくなる。
だから物語はハッピーエンドの方が好きなのかもしれない。
(勿論、切なくても心温まったり、心を揺さぶられたりというのはあるのだけど)
別に、苦労が──とか、こんなに苦しくて──悲しくて──とかを、主張したいっていうのではなくて(そもそも、そういうのって比べるものでもないし)
でも、リアルで人間関係のゴチャゴチャとかそういうのに巻き込まれると、物語くらいは穏やかなハッピーエンドがいいなぁと思う。
疲れちゃって。
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どちらにしても、自分が知らないだけで、誰もが何かを抱えながら生きているような現代、普通に生きることは案外難しいのかもしれない。
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