雨を通さない、画期的な透明空間が出来上がった。綺麗にセットした髪型は崩れず、服は濡れず、靴下だって湿らない。こんなに素晴らしいものはないと、少々高価な品ではあったが透明空間は大ヒットした。


 しかしこれには雨が悲しんだ。そんなに自分は嫌われているのかと。


 それから毎日毎日雨は降り続き、止むことを知らなかった。透明空間を開発した生き物たちが住む場所はぐしゃぐしゃになった。


 その生き物たちがもうここにはいられない、と別の星に移住したところで雨はようやくおさまった。


 これにはぐしゃぐしゃにされたはずの星が感謝した。

「あの生き物には散々悩まされていたんだ」





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