第62話 第四章 アルス、ロンガ、ウィタ、ブレウィス(20)
「ちょっ、マスター! わたしそんなんじゃ」
ヴィオラはもう顔が真っ赤だ。
「あー、いいからいいから。わたしはあなたのマスターよ、すべてお見通しだわ」
「う~」
真っ赤なまま唸るヴィオラ。
おお、これは見透かされたって感じのリアクションかも。
マジかよ! なんなんだ? 急転直下、生涯最高のボーナスが降ってきたのか?
いくらガリベン男子といっても、こんな美少女に慕われるなんてそりゃもうウレシイに決まっているじゃないですか!
(もちろん、俺だっていままで彼女は欲しかったさ。単にモテなかっただけで!)
まあ、ヴイオラに慕われる理由がさっぱり分からないけれどな!
◇◇
なんとなくはしゃぐ様子が伝わったのか、ブリュンヒルトは微笑ましく見守っているものの、彼女の中ではとある好奇心が急速に芽生えていた・・・『アルティフィキャリスが成長しようとしているなら、その姿をぜひ見てみたい』。
◇◇
「じゃあ、西郷。ヴィオラのことを頼んだわよ。そう・・・当面の間はね」
「おお! 任せてくれ」
現金なもので、俺も気合が入った。
「本当は、わたしがここに残ってそのタブレットを護りたいんだけれど、実はブルガリアでタブレットの発掘に仕掛かっているのよ。ちょうどそのとき、ヴィオラの居場所が判明したものだから、とりあえずこちらに来ちゃったんだけれど・・・。また戻らなきゃならないわ。あちらも、いつクーリア・ロマーナが嗅ぎつけるか分かったものじゃないし」
「え・・・それじゃ・・・やっぱり俺とヴィオラは奴らに狙われるのか・・・」
まあでも、国防軍が警備についているんだから、クーリア・ロマーナか何か知らんが大丈夫だろう。
「心配いらないわよ。ヴィオラを残していくでしょ?」
「いや大丈夫だろ? 国防軍ががっちり警備にあたってくれている」
「それならいいけど・・・まあ結局ヤバくなるとは思うけどね。でもってその時に分かるわ、ヴィオラがただかわいくて頭がいいだけじゃないってことがね」
ブリュンヒルトがウインクをする。
「ヴィオラの戦闘力は、わたしと同クラスだって言ったでしょ?」
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