幕間 設定公開 藺艸蓉子(甲類一位)

 月に一度の令和ダンジョン設定公開。

 今回もサポーターさんからの希望で本編未登場の甲類一位、藺艸いぐさ蓉子ようこです。

 こちらも本編に登場するかは謎。ということで、読み物としてお楽しみください。



 女性。29歳。北海道出身

 160センチほど、長めの黒髪。体も細目で鍛えた様子はありません。

 単純な見た目は地味ではあるものの落ち着いた美人ですが、人を拒絶するような、他者を寄せ付けない雰囲気を纏っています。


 能力は氷と冷気をあやつるというものです。

 氷の斬撃と範囲攻撃の吹雪を使いこなすほか、氷の斬撃や吹雪を受けたものを凍らせる能力があります。

 これは魔法ではないため詠唱は不要な特殊能力です。


 近距離では氷の刃、遠距離では吹雪で攻撃するだけでなく、氷の壁と吹雪で防御も可能です。

 飛び道具による攻撃を空中で凍らせて止めるレベルの強さを持っています。


 詠唱無しな上に常時デバフ付きの高火力攻撃を操る、遠近両方をカバーする万能型です。

 高い継戦能力と強力な氷の攻撃を持ち、氷属性の魔獣を凍らせて倒した逸話があります。



 もともとは良いところの生まれのお嬢様です。

 魔討士としての能力の存在には気づいていましたが、魔討士登録はせず戦ってもいませんでした。

 また本人もおっとりした家庭的な女性で全く戦闘への適正はありませんでした。


 結婚して子供にも恵まれ幸せな暮らしを営んでいたのですが、両家の家族での旅行の時に野良ダンジョンに遭遇。

 偶々彼女はその場におらず難を逃れましたが、その時に自分の父母、義父母と夫と娘二人の全ての家族を失いダンジョンへの復讐鬼と化しました。


 全てのダンジョンの魔獣への敵意を持っていますが、家族を殺した奥多摩系の蟲系統を憎んでいます。

 定着ダンジョンの討伐の際には奥多摩系を優先的に狙っており、本人には自覚はないものの、知性を持つ蟲である后種を何体が倒しています。


 普通は落ち着いた質素な格好の女性に見えます。ですが、周囲とは最低限の受け答えしかしませんので、非常に愛想が悪く見えます。

 唯一人間的な部分は子供好きなところで、子供にだけは笑顔を見せます。



 魔討士協会に所属していますが、魔討士協会に対しても家族を守ってくれなかったという感じで逆恨み気味な敵意を持っています。

 魔討士になった経緯もあり、人格的には色々と破綻していますが、功績と能力が突出しているため甲類の一位になりました。

 

 現在は全国を放浪して定着ダンジョンを中心に討伐をしています。

 家族を失ってダンジョンへの報復のために魔討士になったという点では七奈瀬奏と同じような境遇ですが、彼以上に復讐心に囚われているため魔討士協会でもその行動は制御不能となっています。


 協会側は彼女の行動を把握してサポートをしたり、たまに本人から情報提供の依頼等があった場合に対応しています。

 


 ダンジョンへの憎悪のみで戦っており、虚無的でいつ死んでもいいと思っています。

 一方で今死んだらダンジョンを壊せなくなるという思いもあります。


 基本的にどんな不利な状況であっても後退しません。

 北海道で10階層の定着ダンジョンを攻略してダンジョンマスターと相打ちになりかかって瀕死の重傷を負ったこともあります。


 範囲攻撃が多い上に精度の高い攻撃が出来ないため、誰も一緒には戦うことはできません。

 また、本人も同行者を寄せ付けません。

 

 能力の性能的には国内最強レベルです。

 しかし戦闘経験も殆ど無いので、戦いの駆け引きや状況に応じた押し引き、能力の効果的な活用が全くできず、能力の強さに頼った力押ししかできません。

 同じ一位でも、自分の能力を使いこなしている宗片や藍樺とは真逆のタイプです。


 このままだと、それこそ雑魚魔獣と戦っている時に不意打ちなどでうっかり死にかねない危うさがあるため、何とか正気を取り戻して無茶せず連携し効率的に戦ってほしいと魔討士協会としては考えてます。


 また、なんとか家族の死を乗り越えて改めて幸せになってほしいとも考えています。

 ただ、この能力の高さは命知らずの狂気の代償でもあります。



 定期的に墓参りに故郷の北海道に戻っています。

 墓の前で独りたたずんでいる姿を良く目撃されてます。


 戦っていない時は家族と暮らしていた北海道の家で暮らしています。

 家を空けている時間が長くそのままだと荒れ放題になるので、魔討士協会が派遣したスタッフが家をメンテナンスしています。


 家族を失う前の趣味はピアノを弾く事と料理と子供とのお絵描きでした。

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