幕間 設定公開・藍樺亥澄

 本編を書く時間が無いので設定公開で間をつなぐ(スマン


 今回は幕間に登場した丙類一位、日本最強の陰陽師、藍樺亥澄らんかいすみです。相変わらず本編にはあまり関係ないので、読み物としてお楽しみください



 35歳、女性。

 身長は165センチほど。細身で白い肌と真っ黒の長いストレートヘアが特徴の和風美人です。京都出身。

 丙類1位ですが、乙類ダントツ一位の一刀斎とは異なり丙類の中で討伐点最高値というわけではありません。

 これは本人が京都以外に殆ど討伐に出ないことが理由です。


 京の都を悪鬼や凶事から守る役を担う藍慶門陰陽道と言う歴史ある陰陽師の家系に生まれ、幼少のころから陰陽術を仕込まれてきました。

 その後、22歳の時に先代である父親の死を受けて147代宗家となっています。

 とはいえ、当時はダンジョンなどと言うものはなく、伝統に基づいて儀式などを行っているだけでした。


 ダンジョン出現後は陰陽術が実際に使用できるようになったため、ダンジョン討伐に参加。

 魔討士の素養を持つものがまだはっきり確認されていなかった時代は、ダンジョン討伐の主力の一人として日本各地を転戦していました。


 今は京都の外に出て討伐活動をすることはほとんどありません。

 魔討士の数がそろってきたからというのもありますが、京都が霊的に一番力を発揮できるから、と言うのが理由です。

 彼女の尽力により、唯一京都府には定着したダンジョンは存在しません。



 ランクが示す通り、日本では最強の魔法使いの一人です。

 本人の魔討士としての素養の高さと、受け継がれた藍慶門陰陽道の知識も相まって、攻撃、防御のみならず回復、移動、式神召喚等の非常に多彩な術を操ります。


 戦うときは符を使って魔法というか陰陽術を発動させます。

 符は特殊な墨で書かれた文様により魔素フロギストンを収束しており、強力な術を極めて短い詠唱で使用することができます。


 詠唱はこんな感じで、白霞の符という無地の符に呼びかけるイメージで魔法を発動させます。

 月代の部分は色の名前が入り、それが使う魔法と紐づけされています。


「【つとめ果たしや白霞しらがすみなれは『月代つきしろ』】」


 月代は回復系の魔法です。

 芝居がかった仕草で符を手にしたり詠唱したりしてますが、実は符を手に取る必要はなく、後段の部分だけでも魔法は発動します。


 符がないと魔素フロギストンの収束に時間がかかるため詠唱が長くなります。

 このため戦力が落ちますが、それでも丙類2位か3位並みの強さを発揮します


 また、この符に収束させた魔素フロギストンを使うことにより、ダンジョンの外でも魔法を使うことができます。

 周囲に魔素フロギストンがない状態で使うのでダンジョン内での威力には遠く及びませんが、この世界で極めて稀な、ダンジョン以外で魔法を使うことができる人間です。

 ダンジョンの外では、主に怪我人を助けるために回復系の術を使用します。


 ちなみに戦闘時は平安風の衣装を身に纏い、芝居がかった口調で話します。



 丙類最上位帯でしかも歴史ある陰陽師の当主ですが、取材とかには一切応じておらず、プライベートは殆ど明かされていません。

 なので、ミステリアスな凛々しい陰陽師と言うイメージが定着しています。


 ですが、私生活はかなりだらけています。

 家事は全くできず、代々家に仕えてくれている乳母に身の回りの世話を焼いてもらっています。

 

 趣味はぬいぐるみ作りとゲームとコスプレ。手先は器用で裁縫は得意なため、コスプレ衣装は自前で作っています。

 戦闘時の平安衣装姿も彼女にとってはコスプレの一環という面があります。主にゲームキャラの男装をしてあちこちのイベントに参加しています。

 可愛い物も好きで部屋には沢山のぬいぐるみが溢れています。

 ゲームは下手の横好きです。


 取材を拒否してプライベートを伏せているのは、格好いい陰陽師というイメージが壊れることや、趣味を好きにできなくなることを恐れているという経緯があります。


 こんな感じはありますが、京の都を鬼から守る陰陽師の家系という自負は強く、魔討士としての責任感はあります。

 魔討士として戦う姿とグダグダなプライベートに極端な落差があるため、一刀斎と合わせて魔討士の最上位に行くには変人でないとダメなのか、等と魔討士協会では噂されています。



 この世界では平安時代あたりは普通に空間の断層(今でいうところのダンジョン)が多数ありました。

 なので平安時代には、其処から漏れ出てくる魔素フロギストンでダンジョンの中でなくても陰陽術が使えました。

 まだ世界の境界線が曖昧だった時代の話です。


 また、断層を抜けてやってくる魔獣もおり、それが各種の物の怪とか鬼の伝説の起因となっています。

 逆に断層を抜けて異世界に行ってしまうものもおり、これは神隠しなどと呼ばれました


 その後、時代を経て断層は次第に閉じて行き、江戸時代あたりには殆どなくなりました。

 ごく僅かな魔素フロギストンはあったものの、大掛かりな術を発動させることはできるものではなく、精々で符を通して魔素フロギストンを収束しちょっとした術を使える程度となります。


 断層が閉じたことに寄り陰陽術を使用することはできなくなったものの、人外の魔獣の脅威もなくなりました。

 こうして、次第に陰陽術は儀礼的なものになっていきます。


 しかし、かつてそういう時代があったことは語り継がれており「再び彼の如き災禍来たらば、藍慶門の力を以て鬼に抗すべし」という家訓として伝えられていました。

 こんな背景もあり、藍慶門陰陽道は代々にわたって継承され現代まで生き残ったわけです。


 伝統的な文化として国の補助とかがあったり、江戸時代の当主が商才があり商売に成功してそれなりに財産を持っていた、というのもあります。

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