幕間 乙類の武器その他の魔討士の能力・設定公開(加筆あり)
感想欄で質問を受けたので、もう一つ設定回です。
今回は乙類の使う武器について。前のと同じく、読まなくても特に問題はありません。多分。
5/24に丙類その他分についても加筆しました。
設定マニアなので、こう言うのを書くのは大好きなのです。
お暇な方はお付き合いください。
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魔討士の中には武器を形成する能力を持つ者がいます。
これらの武器は特殊な例を除いて遠隔攻撃は出来ず、その武器の間合いの中で戦うことになります。
間合いに難があるため、前衛として他の甲類、丙類を守るポジションとなります。彼らは魔討士の区分上の乙類となります。
ちなみに武器を形成する能力を持つからと言って乙類になるわけではありません。
漆師葉は武器としてサーベルを持ってはいますが、影による中間距離での攻撃の方が強かったため甲類に区分されています。
片岡は登録当初は風を操る能力が低かった(というか不慣れだった)ため乙類に区分されました。
彼らの作り出す武器は、ダンジョン内に存在する魔力というか
余談ですが、前回の設定公開で書いた異世界側アイディール・スラヴァーネは
ルーファの円弧剣・ヴーリは異世界側では狼の姿でルーファに付き従っていましたが、日本ではダンジョンの中でしか現れません。
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乙類の武器は基本的には天与のものであり、自分の意思で選ぶことはできません。素質に目覚めた時点で既に決定されています。
このため、素質があると思って喜んでみたものの、得た武器がまったく自分の望んでいたものと違って落胆し、魔討士として活動するのをやめる、などというケースもあります。
これをハズレ武器などと称したりします。
とはいえ、能力までハズレとは限らないのですが。
例えば乙類5位の高校生、清里芳香は儚げな感じの眼鏡の文学少女っぽい見た目ですが、使用武器は武骨な両手持ちの
そのギャップが良い、と言って人気がありますが、本人は武器と見た目のギャップについてからかわれると激怒します……性格は余り物静かではない模様。
このように、乙類の使う武器は本人が選ぶことが出来ず、種類もかなり幅があります。
こんなわけで、どんな武器の使い手にも対応できるように、訓練施設には様々な武器術の師範や元自衛官などの指導者が揃っています。
元から何らかの武術をやっていた、という特殊な例外を除くと、殆どの魔討士は能力に目覚めてから訓練施設で師匠から手解きを受けて武器の使い方を学ぶことになります。
ちなみに、時折、蛇腹剣や、柄の両端に刃がついている双剣のような、文字通りゲームでしか見ないような変わった武器使いが現れることもあります。
その場合は師範と一緒に自分のスタイルを確立することになりますが、完全な我流で突っ走るものもおり、この辺は使い手の性格に寄ります。
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この武器が何によって決まっているかは研究されていますが、現状では検証しようがないため推論以上の説は無く実態は不明です。
まったくのランダムなのではないか、という説もありますが、一番支持されている仮説は、その人の内面のイメージが反映されている、というものです。
これは日本の乙類に刀や薙刀などの和風武器を持つものが多いことが理由となっています。
逆に海外では刀は少なく、その土地の歴史にあったものが多いという統計もあります。
また、本編で登場した槍使い、斎会将太は実家が槍の古武術の道場であり、小さいころから槍の修業をしていましたが、彼が能力の目覚めた時に得た武器が槍でした。
彼に限らず、このような何らかの武器による訓練をしていた者が得た武器が、その訓練に関わるものだったというケースが多いことも、この説を補強しています。
例えば、機動隊員が得た武器が大盾であったり、古流剣術の師範の老人が得た武器が刀であったり、と言う感じです。
……とはいえ、これが解明されても素養がある者の武器を選ぶことができるわけではないので、あまり意味は無いのですが。
◆
乙類の武器には何らかの能力が付いているのが一般的です。
身体能力を向上させ、ある程度痛みに強くなるというものはほぼ共通です。
これに加えて、片岡の風を操る能力や、三田ケ谷の剣の軌道に斬撃を残す能力、武器の切れ味の強化、威力に対して極めて軽量、超感覚、敵の相手の魔力を吸収する、傷を癒す、などさまざまです。
一方で、こういう能力が殆どないものもありますが。
ただし、乙類の武器は形成している間、魔力を微妙に使い続けます。
特殊な能力が付いた武器は消耗も大きくなるため、定着したダンジョン攻略などの長期戦の場合は、この維持のための魔力の消耗が結構な負担になります。
例えば、一刀斎は破格の能力を持っていますが、その代償として使っている間の消耗が激しい武器でもあります。
◆
きわめて稀なケースとして、武器そのものに意思があるものもあります。
片岡の鎮定、宗方の一刀斎、漆師葉のマリーチカ等です。
この武器に宿る意思は、何らかの理由でこの世界に強い思いを残して死んだ者の魂です。
彼らは自分のやり残したこと、やりたかったことを使い手の体を経て果たそうとしています。
名前を持つ武器は強力な能力を持つ反面で、総じて持ち手に対して自分を使うにふさわしい技量や意思を要求するので、ある意味厄介な装備でもあります。
意思疎通は可能ですが、ダンジョンの奥のような
また、意思疎通のしやすさにも個人差はあり、漆師葉はマリーチカと割と何度もあっていますが、片岡君はあまり鎮定に会えていません。
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丙類の魔法使いや丁類のその他の能力者も基本的には変わりません。
自分が持つ素質は選ぶことは出来ず、その種類も様々です。
ちなみに甲乙丙丁の区分はあくまで日本の魔討士の区分です。
登録の際に協会の判定員が決めるので、区分があいまいなことが多いのが実情です。
檜村は長い詠唱というハンデを持っていますが、攻防の多彩な魔法を操る事が出来ます。
一方、七奈瀬は魔力で作り出した針金のようなもので刺すか斬るかの単一の攻撃しかできませんが、一番最初の発動の時以外は詠唱を必要としません。
総じて使える魔法の種類は狭いことが多く、様々な魔法を使いこなせる檜村はかなり特殊です。
詠唱が長いというのは大きなハンデであるため、一般的な実戦では詠唱が短く手数が多い魔法使いの方が好まれます。
定着したダンジョンの討伐を目指すようなパーティの場合、ダンジョンマスターに大打撃を与えられる火力は貴重なので、そういう編成には檜村の様な詠唱が長い高火力タイプの魔法使いがいることもあります。
ちなみに丙類一位は
符が切れると戦力がガタ落ちになるという欠点を持っています。
魔法使い系統は、乙類の武器術と違って系統立てた稽古が難しい能力です。今のところ、瞑想してイメトレする位しかありません。
このため、単純な能力の強弱以外に使い手本人の習熟度によって差が出やすく、それが強さに大きくかかわってきます。
◆
こんな感じでしょうか。
何か設定で知りたいことがありましたら、感想欄などで聞いていただければ、お答えします。
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