第10話 マネをするべき作品
小説を書いていて、なんとなく手詰まりになったな、と感じることがあると思います。
もう少し面白いものが書けそうなのに、うまく書けない。成長が止まったような気がする。そんな瞬間です。
自分の場合、そんなときは「自分の好きな小説」と「売れている小説」を軽く見直すようにしています。
片方だけだとあまり効果が出ないのですが、両方読み返すと、手詰まり感が軽減することが多いです。
「自分の好きな小説」は、「好きだった小説」と書いた方が適切かもしれません。若い頃に感銘を受けた小説。それらを読み返すと、自分の創作衝動の原点を再確認できます。
こういうシーンが書きたかった、こういう描写がかっこいいと思った、こういう展開がエモい、などなど。
それらを確認することで、自分の創作姿勢の迷走していた部分を正しく認識できるようになる。
「売れている小説」は、出来るだけ「単巻での売り上げがバカみたいに多く」「メディアミックスやネームバリューの力を使わない」「ロングセラーの」作品を選んでいます。
ライトノベルの「シリーズ累計100万部」とかは、「シリーズ全巻+外伝+コミカライズ+その他関連書籍も含めて」という数字のトリックを使っているケースがあるので、こういうのはなるべく除外します(発行部数の半分以上がコミカライズで、残りの発行部数をシリーズの巻数で割ると、数万部くらいだったりするので)。
自分の場合は、宮部みゆきや伊坂幸太郎の初期〜中期ごろの作品を見たりします。
ベストセラーかつロングセラーの作品を見ると、構成(各場面ごとの情報量の調整)や、キャラクターの立て方が抜群に上手かったりします。そういう美点を真似sるうのは非常に難しいのですが、何かのヒントになることはあります。
また、ベストセラー作品って思い切った手法を用いていることがあって、自分の固定観念を打ち砕いてくれたりします。
自分が「こういう設定を使うなら、こういう説明が必要だろう」「この手のキャラクターを印象づけるには、これくらいのエピソードが必要だろう」と思っていた事柄が、バッサリ切り捨てられていることは少なくありません。
逆に、自分が作者の側に立ったときに「この文章いらないだろ」と思ってしまうものが、ガッツリ書かれていて、それが作品の魅力になっていることもあります。
ベストセラーは何を書いていて、何を書いていないのか。
そこには創作における、大事なヒントが眠っていると思います。
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