第10話
(10)
影とロボ男はひたすら東へと進む。途中、砂漠の世界を変化させるものは何も見えなかった。
影が細くなれば休憩し、また歩き出す。それを何度と続けて行くうちに、ロボ男は遥か遠くに平たい砂漠とは異なる地形を感知した。
#遥か前方ですが、砂漠が大きくせりあがるようになっています。
「何だと?もう一遍言ってくれ」
#砂漠が盛り上がるようにせり出しています。
「何じゃ、そりゃ?」
強く吹き出した砂風に声が弾かれていく。
#えっとですね。計測しますと急斜が26.2度・・続いて32.6度と段々、大きくなっているようです。
「であるか?」
影が呟く。
「それでどうなる」
#おそらくですが、、歩いていたスピードが急速に遅くなり、また砂の為、ずるずる滑り落ちるかと思われます。
「そうか」
#はい、そうであります。
「なんてこったい」
影が呟く。
するとロボ男が急に風に反応して、影に鋭く言った。
#影様、この砂風の中に以前見た『夜風』と同一の反応を感知しました!!
「何だって?」
影が慌ててロボ男へ首を回して振り返る。それに合わせて急に風が強くなった。
びょうびょうと吹き始めた風の中に三角の薄い黒い影が見える。
それが段々と増え始めている。
「やべぇ!!」
影が叫んだ。
「ロボ男、急ぐんだ。『夜』が直ぐそこまで来てやがる!!」
影は前方を見て大きく足を踏み出した。
その歩幅は今まで見たことがないほどの大きさだった。
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