第7話

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 #ちなみに『ブジ』とはどんなところなんでしょう?


 ロボ男が目の前を歩く影の背に言う。あの後たっぷりと休憩をした影の身体はロボ男が初めて会った時より大きくなり、優にロボ男の三倍ぐらいになっていた。


「さぁ・・それは知らねぇ。ただ分からないんだが、俺の頭に常に響くのさ。『ブジ』に行けと。それだけじゃない。そこで『あいつ』に会うんだと・・まぁ良くわかんねぇけど仕方がない。そう感じるんだから、その直感を信じるしかねぇ」

 

 #成程。影様は直感のお人なんですね。


 ロボ男の頭部が360度回転して答える。


「まぁそうだな。だって上海からも砂漠伝いでここまで来たが、方向も間違えることなく正確に東へ進んでるんだから」


 #ということは『ブジ』は東にあるんですね。


「だろうな、仲間は皆東に向いて歩いてるよ。きっとずっと遠くの東にあるんだろうよ。きっとな・・」


 言ってからロボ男が立ち止まる。


「ん?どうしたロボ男」

 

 #いえ、遠くに何かが倒れてます。


「何だ?」


 言うや否や、ロボ男が手を回転させて上空に飛び上がる。それはまるでヘリコプターのように飛び上がり、突然横向きに飛び出した。


「おいおい!!」

 

 影を残してロボ男は前方に飛ぶと何かを拾い上げてこちらへ戻ってきた。

 着地したロボ男の腕に乗せられた何かを見て影は言った。


「こいつは・・ 」

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