第4話

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「あん?」

 影が首を回して振り返る、しかし身体は前に進んでいく。

「せっかく起動したんだから、この砂漠をもう一度開拓して緑の大地にでもしたらどうだ?お前は農業用ロボなんだからよ」

  くるりと首を前に戻す。

 すると後ろからカラカラと音がする。


 #待って下さい。私は農業用ロボですが、補助ロボなんです。誰かのサポートだけしかできません。ですので私を一人にされると困るのです。


 ロボ男が四つの手をさながら蜘蛛のように上手に地面へ動かして前方を歩く影の後を追ってくる。


「おい、ついて来るのは構わないが、ロボ男・・おぇ、飛行時は俺を乗せれんのかぃ?」


 #大丈夫です。一人限定ですが御乗せ出来る設計です。それ以上乗せると墜落します。ちなみに時速40キロで飛行しますよ。


 影が頷く。

「そうかい。そいつは良かった。じゃぁ『夜』がやって来そうになったら俺を乗せて空を飛んでくれ。それなら旅のお供は何とやらだ」


 #了解しました。

 

 ロボ男が首を360度くるくると回転させ影に言った。


 #ちなみに影様はどこからどこへ行くのでしょうか?




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