第3話
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「ここだって?」
影が黒い腕を伸ばし、その先をロボ男の十字の目が追いかける。黒い指先に砂の中で埋れている青い標識が見えた。
「見な、ここは尼崎っていう場所さ。一面が砂漠みたいになっちまってるが」
影が首をぐるりと回す。確かに影とロボ男のいる四方全体は砂で覆われ、砂漠と化している。
空には太陽が輝いていた。
#尼崎?了解しました。衛星との距離を測り、地点測定を開始します。
言うとピッと音が鳴り、ロボ男の頭からロッド型のアンテナが出て来た。
「お、なんだよ、ロボ男。お前、地点測定できるタイプかよ。ということは、もしかしてその四本腕が回転してヘリみたいに飛行できる形式なんじゃない?」
地点観測しているロボ男のボディの隅々に首を伸ばして影が色々覗き込む。
「あっ、すげぇ。お前、やっぱ緯度や経度を測りながら上空を飛行して水を空中散布できるやつじゃねぇか。それに良く見りゃ無限太陽エネルギーだし、記録録画型ときてやがる。こいつはラッキーだ。もし『夜』がやってきそうになったらこいつを使って空をひとっ飛びできる」
#地点観測できました。現在位置は尼崎より南東部の難波です。
「難波?だって、こりゃいけねぇ!!大分、南に行きすぎちまった。こりゃ、このままだと『夜』に呑まれこまれちまう」
言って影は身体を動かして進み始めた。
その影の背にロボ男が声をかける。
#影様、私はいかがしたらいいでしょうか?
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