固いクラッカー

かのこ

固いクラッカー

この間、家族の誕生日パーティーをしました。ごちそう(主に肉)を用意してケーキとプレゼントを用意して。帰り際に雑貨屋に行くと、あのパーティーで円錐の紙の先端にある紐を引っ張ったらパァンって色とりどりの紙やら紐やらが飛び出てくる、あれがあったので、パーティーっぽいじゃーんって思い購入しました。

きっと本人は平凡な誕生日を過ごすと思っているはずだから、パァンってするやつだけでもあればちょっとはパーティー感も増すだろうと思ったんですよ。パーティー感も増せば誕生日がより楽しい。いいじゃないパーティー感。

パァンってするやつが7個入りで、いっぱい入ってて、一人で一個をパァンってするのはなんだか寂しい。寂しさ倍増じゃん。パーティー感が増すより激減しちゃうやつ。本当はいけないんでしょうけど、一人で3個をパァンってしてみることにしました。片手に三個もって、一気に三本の紐を引っ張ろうと。

準備ができて部屋に来るよう呼んで、ドアを開けたとたん、パァンパァンパァンですよ。

きっとビックリですよ。ビックリしすぎてひっくり返っちゃうかもしれない。

さあパーティーの始まりだ。フゥー、イェーyoパーリィーナィツ アーハァン


したり顔で待ち構えてドアが空いた瞬間…静寂です。ひとつのパァンもない。敗因はあれですね、私の握力不足とパァンってするやつが思ってた以上に固かった。三個まとめては引っ張れない。引っ張ってもうんともすんとも言わないの。ピクリとも動きやしない。呼ばれた方はもうキョトン顔。え?呼ばれたけどなにしてんの?状態。

仕方ないので、ひとつ持ってパァン、ひとつ持ってパァン、ひとつ持ってパァン。

鳴らし終わってからの静けさよ。

ご飯は美味しかったから良いんですけどね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

固いクラッカー かのこ @kanoko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ