瑠花視点:パートラスト

チャイムを鳴らすとすぐにドアを開けてくれた。


「瑠花ちゃんどうした……。」


イライラが収まっておらず、パシリと平手打ちをする。


そのまま中に入る。

私の無機質な部屋とは違う可愛らしい部屋。

梨友の匂いしかない私にとって1番安全で安心で落ち着く部屋。


「今日からこの部屋で一緒に暮らすから。」


そう呟く。

目を輝かせる梨友。

可愛らしい。

小動物みたいだ。

私の暴力を受け入れてくれ、苦しみを受け入れてくれ、支えになってくれる梨友。


「うん!!晩御飯出来るけど食べる?」


私のしたいこと全部わかってくれる梨友。


「わかった。ありがとう。」


そしていただきますと声を合わせる。


それからというもの大学、社会人と学校、職場も同じ所で毎日一緒に過ごした。

親からの庇護からも完全に離れ、2人だけの幸せな時間。


音亜が自殺したことなんて過去の話で悲しみもなんもなかった。

ただ、狂った奴が死んだ。

それだけの事だ。


ストレスから解放され暴力も梨友に振るわなくなった。

その代わり、求めるようになった。

体を重ね合わせ、愛撫する。

私が主導になるのだけれど。

時折、やりすぎることもあるが、それでも梨友は幸せそうに優しく私の体を抱きしめてくれる。


あぁ、この子と出会えて本当に良かった。


「愛してるよ、梨友。」


えへっと笑う梨友。


「私も。」


そして幸せな毎日を送っていった。


Fin.


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