瑠花視点:パート7
今日は何かがおかしい。
ずっと音亜がにやけているのだ。
先週はそんなこと無かったのに。
気味が悪い。
まさか、いや、そんな馬鹿な。
ある1つの考えが頭から離れない。
音亜は私を殺そうとしている…?
あそこまで狂った人なら私を殺して2人きりの世界にとか言いそうなのは手に取るようにわかる。
しかもにやけているというのも不気味さに拍車がかかる。
保険を掛けなければ。
一緒にいる梨友にトイレに行こ?と誘う。
トイレに入り、梨友にお願いをする。
「音亜が私を殺すかもしれない。帰り道少し離れたところ誰か着いてきてないか見ておいて。もし着いてきてたらそのままにして、私が万が一何かされたら救急車を呼べるように待機しておいて。」
困惑する梨友。
当然だ。
そんなことは有り得ないと信じたいのだろう。
でも冷静に話を続ける。
「梨友。あそこまで狂った人間は何をしでかすか分からないの。あなたしか頼れないの。」
なんとか飲み込めたようでコクコクと言葉には出来ないが頷く梨友。
梨友…私の事頼んだよ…。
「瑠花。」
急に声をかけられる。
振り向きざまに何かが私の内蔵に入ってくる。
すんなりと深く深く。
その何かを持っていた手が徐々に離れ、自分のお腹が真っ赤に染まっているのをただ見ていた。
しかし、それを認識した途端激痛と共に目の前がグルグルと回り始める。
立っていることさえ出来ず、硬いアスファルトの地面に横たわる。
梨友が走って近づいて泣きながら喚きながら救急車を呼ぶ声を最後に私の意識は途絶えた。
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