音亜視点:パートラスト

月曜日がやってきた。

学校ではニヤケが止まらなかった。

やっとこれで誰にも邪魔されずに瑠花は私の物になるんだ。


授業が進むのがものすごく遅く感じる。

やっとの思いで授業が終わり、瑠花の後を着いていく。

そして予めリサーチしていた細い路地に入り、呼び止める。


「瑠花。」


振り返りざまにサバイバルナイフを突き刺す。

生々しい感覚が手に伝わる。

その感覚に昂りさえしてしまう。

深く深く突き刺す。

突き刺したまま手を離す。

瑠花は自分が何されたのか理解できない顔で自分のお腹に生えている不自然な物体を見下げる。

頭がやっと理解したかのようにそのナイフに両手を宛てがいながら横に倒れた。


満足した私はその場を後にし、次の目的地へ向かう。


廃ビルの屋上。

靴を脱ぎ、用意していた封筒を風邪で飛ばされないように靴の下に丁寧に挟む。

遺書だ。

内容は、


瑠花がいない世界なら瑠花を殺して私も死んで2人きりに。


そして自分だけの楽園を夢見てまるで空中に歩き出すように踏み出す。

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