梨友視点:パート6

日曜日。


「昨日の今日で悪いけどカラオケデートしない?」


と瑠花ちゃんから連絡が来ていた。

あぁ、私の所有者……。

断る理由もない。


「もちろん!!すぐ行くね!!」


瑠花ちゃん瑠花ちゃん瑠花ちゃん瑠花ちゃん……。

気が付くと瑠花ちゃんのことしか考えられなくなる。

今はカラオケに行く準備をしないとと考えを振り払う。


カラオケで瑠花ちゃんが歌うのを聞く。

こんなに低くてかっこいい声出せるんだ。

瑠花ちゃんの声でとろけそうになる。


2人ある程度歌ったところで瑠花ちゃんが私の隣に座り、肩を寄せてくる。

向き合い、キスをする。

突然頭を抑えられ、殴られる。

息が出来なくなる苦しさと頼ってくれてる幸せを実感し、興奮して息が荒くなる。


そして濡れてくる。

瑠花ちゃんのことを考えるだけで少し濡れるのに、こういうことをされてはたまらない。

最近では濡れてるのがバレないように常にナプキンをしている始末。


時間はあっという間にすぎ、家に帰る。

あぁ、瑠花ちゃん……。

家に帰ると瑠花ちゃんと離れた苦しさと切なさが込み上げる。

それを誤魔化すかのように1人で自慰行為をするのだった。


月曜日以降、音亜が瑠花ちゃんに話しかけることはなくなり、目も合わせなくなった。

そのお陰で瑠花ちゃんと一緒に居られるようになった。

ただ、他の人たちも瑠花ちゃんと話がしたかったらしく、あっという間に人だかりができてしまった。

2人きりの方が私はいいのに……。

ふと横を見ると楽しそうに話している瑠花ちゃんがいた。

あぁ、瑠花ちゃんが楽しそうならそれでいいやと半ば思考放棄になる。

会話の途中で私たちが付き合ってる事がバレ、キャーキャーと喚き始めた。


付き合ってる事実だけで盛り上がってなんて憐れなんだろうか。

瑠花ちゃんの苦しみを分かってあげられないくせに……。


それでも金曜日までは幸せな毎日だった。

私の所有者がすぐ近くにいる。

それだけで充分なのだから。

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