音亜視点:パート6

日曜日。

瑠花に否定されたショックでベッドから身動き1つ取るのさえ億劫になっていた。

ただ、ぼーっと呆けるしかない。


瑠花……なんで……。

本当に理解できない。

瑠花がいない世界なんて意味が無い。

瑠花……あぁ、そうだ、殺せば2人だけになれる。


その考えに導かれるように外出の支度をし、ミリタリーショップに向かう。

お店につき、買うべきものを1つ買う。


サバイバルナイフ。

普通の包丁とは違う切れ味、形状。

これさえあれば瑠花とまた2人きりになれる。


家に帰り、そのナイフを愛するように撫でる。

問題はいつ殺すかだ。

瑠花の行動パターンを完璧に把握しなくては。


月曜日。

瑠花に話しかけることさえできない。

目も合わせられない。

でも、もうすぐ一緒になれるからね。


月曜日から金曜日まで瑠花の帰り道や寄り道を全てメモした。

殺るならここか。

細い道で人が少なく街灯もない。

時間も大体決まっている。


来週が楽しみだ。

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