瑠花視点:パート5

呼び出され、展望台に3人。

梨友はやはり怖いのか少し後ろにいる。

膝も笑っているが私の顔を見ると安心するかのように少し微笑む。

そして、音亜が切り出した。


「なんで瑠花は私のものじゃないの?仲良しじゃなかったの?なんでそんなチビと一緒なの?」


やっぱりこの話か。

今まで思ってたこと全部言ってやろう。


「仲良しだと思ってたのはあんただけ。ずっと鬱陶しかった。ストーカーして何が楽しかったの?なんで付き纏ってくるの?なんで私の人間関係の邪魔をするの?あんた自分がおかしいって気付いてないでしょ。それもほんとに無理。私は最愛の人を見つけたの。もう邪魔しないで。」


言いたいことは言えたが、イライラもする。

なんでこんな奴に理由を話さなきゃならんのだ。


「嘘だよね……?」


「嘘をつくと思う?」


嘘なわけないだろ。

いい加減にしろ。

どんどんイライラしてくる。


「わ、私は……瑠花が1人にならないように……。」



さすがに我慢の限界だ。

追い打ちをかけてやる。

あとこのストレスをすぐにでも発散したい。


「残念だけど、私はクラスの人と案外仲が良いんだよ。あんたにバレないようにスマホの連絡先を交換して連絡してたの。あとあんたにはこれに耐えられないと思う。おいで梨友。」


瑠花の顔が安堵と幸せに変わり、私の近くへやってくる。

この後何をされるかも分かっての上で。

愛が溢れる。

それが行動に現れ、梨友の頭を愛おしく撫でる。

そして思いっきり梨友の腹を殴る。


「瑠花……何して……。」


やっぱり理解できないか。

自分のことしか考えてないあんたに分かるはずもない。


「あなたと家族から受けてるストレスや苦しみを梨友は分かちあってくれるの。」


私の苦しみを理解してくれるのは梨友だけ。

それなのに目の前のこの女と来たら。

頭に血が登り、もう1回殴る。

梨友の嗚咽が漏れる。

音亜の反応が気になる。


「あんた達……おかしいよ……。」


おかしいのはあんただ。

そして、用意していたセリフを吐く。


「音亜。あんたがこれに耐えられるならあんたとの付き合い方も見直さなくはない。」


そう言うと自然とこっちに向かってくる音亜。

今までの恨みを晴らすかのように梨友にする時と同じ力で腹を殴る。

よろよろと後ろに下がっていく。

やっと離れてくれる。

とてつもない解放感だ。


「やっぱり、あんたは私を心配してたんじゃなくて、自分のために私を捕まえておきたかったんだね。」


私から逃げた。

即ち私のことを本気で心配していたわけじゃない。


「あ、あ、ちが、そんなはず……。」


言い訳しようとするが、頭がうまく回っていないらしく、言い訳もしないままその場を去っていった。


「梨友大丈夫?」


梨友に向き直り、様子を確認する。


「大丈夫……だよ……。えへへ……。」


あぁ、梨友。

ほんとに可愛い。


「これはご褒美。」


今までとは違い、優しく頭を上に持ち上げ、丁寧にキスをする。

舌を入れ、ヨダレを飲ませ、唇を甘噛みする。

ゆっくりと梨友の唇を離す。


「大好きだよ。」


「私も。」

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