音亜視点:パート4

日曜日が明け、月曜日になったがそれからしばらくは瑠花に声が掛けられなかった。

瑠花のいない世界は白と黒で埋め尽くされ、記憶も曖昧になる。

そのまま何日が過ぎ、このままでいいのかと自分に問いかける。

問い詰めると覚悟したじゃないか。

あんな地味でチビでまな板の奴より背も高くて胸もあって顔もまぁイケてる私の方が圧倒的に有利ではないか。

きっと脅されてるに違いない。

そう自分を納得させる。


金曜日、瑠花に話しかける。


「今度の土曜日、あの子と一緒に展望台に来てよ。」


「なんであの子も?」


「なんでも。12時に絶対に来てね。」


「わ、わかった。」


これで問い詰められる。

少し安堵し、土曜日が来るのを静かに待つ。

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