救い無き歪み

瑠花視点：パート3

土曜日。

少し落ち着かない感じで待っていると、梨友がやってきた。

小さい体に少し地味めな顔。

でも私を本当に心配してくれる唯一の友達。

連絡していくうちに色々な話を聞いてもらった。

数々の言葉に救われた。

この人なら。

そう思う。

買い物も服やアクセサリーといったごくごく自然な買い物をした。

しかし、突然梨友が切り出してくる。

｢人目の少ないところに行こ？｣

そう言ってぐいぐいと手を引っ張っていく。

ふと後ろが気になり、横目で様子を見るとやはりというか、音亜がいた。

バレていないつもりらしいが私には分かる。

まぁいっかと思ってそのまま気にしないことにした。

公園につき、梨友が辺りを見渡し、ほんとはいるけど、誰もいないことを確認すると覚悟を決めた顔で告白してきた。

｢私、瑠花ちゃんが好きなの。心配で心配で毎日心が苦しくて……瑠花ちゃんがリストバンドしてるのも隠すためだよね？そのストレスも全部私が受け止めるから……。だからお願い。私と付き合って……。｣

ここまで良き理解者がいるたわろうか。

この人なら私の発散相手になってくれる。

こんなの良いに決まってるじゃないか。

音亜にも聞かせてやろう。

｢わかった。でも貴女にすごい酷いことをすると思う。それでも大丈夫？｣

間違いなくこの子を傷付けるだろう。

だからこその確認。

｢大丈夫。全て受け入れるから。｣

｢わかった。｣

そう言って近付き、今まで我慢してきた鬱憤を晴らすように手に拳を作り、思いっきり梨友の腹を殴る。

体をくの字に折り、苦しむ。

これでもう別れるだろう。

そう思って、歩き出そうとしたら、腕を掴まれた。

振り返ると片手はお腹を抑えており、フラフラになっている。

｢こんなに……苦しかったんだね……ごめんね……今まで気付いてあげられなくて。｣

鳥肌が立ち、涙が流れる。

すぐさま梨友に抱きつき、声を上げて泣いた。

大丈夫、大丈夫と頭をぽんぽんと撫でてくれる梨友。

私にはこの子しかいない。

強くそう感じた。