音亜視点:パート3
来る土曜日。
昔家に行った時、全てのバッグにも録音機を仕掛けておいて正解だった。
遠いところから性能のいい双眼鏡で2人を観察しながら会話を盗み聞く。
途中までは普通に買い物をしたり、ただ仲のいい友達にくらいかと感じ、安心した。
これならもう監視しなくてもいいかなと帰り支度を始めたところ、聞き捨てならないセリフが聞こえてきた。
「人目の少ないところに行こ?」
そう話したのは梨友だ。
何かがおかしい。
2人を見失わないように、けれどバレないようについて行く。
人目の少ない公園まで来たところで梨友が辺りを見渡し、人がいないことを確認した。
そして絶対にあってはならない事を言いやがった。
「私、瑠花ちゃんが好きなの。心配で心配で毎日心が苦しくて……瑠花ちゃんがリストバンドしてるのも隠すためだよね?そのストレスも全部私が受け止めるから……。だからお願い。私と付き合って……。」
ふざけるな。
私の瑠花を取るなこの泥棒猫。
瑠花が良いって言うわけがな……
「わかった。でも貴女にすごい酷いことをすると思う。それでも大丈夫?」
瑠花……?
なんで……?
どうして……なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。
この事実を受け入れられない私はすぐさまイヤホンを耳から外し泣きながら家に帰った。
家に帰ってからも泣き続ける。
なんであんな奴なの……。
背も小さいし、胸もないし、地味なのに……。
問い詰めなくては。
そう決心する。
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